東レ、RO膜を発売 次世代海水淡水化用のエレメント

2026年06月05日

ゴムタイムス社

 東レは6月4日、業界トップレベルの塩除去率・ホウ素除去率と、高い薬品耐性を兼ね備えた次世代海水淡水化用逆浸透(RO)膜エレメント「TSWーK/M/Vシリーズ」を開発し、2026年10月より販売を開始することを発表した。なお、本製品は2026年6月15日よりシンガポールで開催される「Singapore International Water Week(SIWW)」の同社ブースにて展示する。

 本製品は、従来品比で塩透過率を最大55%低減するなど、塩除去性能を大幅に向上した。これにより、海水淡水化設備の新設案件において、従来2段階RO膜処理が必要とされていたプロセスを、1段階化することが可能となる。また、既存の2段階プロセス設備においても、2段目設備の運転負荷低減や稼働条件の最適化を通じて、省エネルギー化や水質向上が期待される。その結果、水処理プロセス全体の最適化とトータルオペレーションコストの低減に貢献する。さらに、本製品はホウ素除去に関しても業界トップクラスの性能を有しており、飲料用途や産業用途で求められる厳しい水質基準にも対応する。加えて、薬品耐性を従来品比で向上させたことで、薬品洗浄時の膜性能低下を抑制し、長期安定運転およびRO膜の長寿命化に寄与することが期待される。

 世界各地で水不足が深刻化する中、海水淡水化市場は中東地域を中心に今後も大きな需要の拡大が見込まれている。一方で、海水淡水化プラントでは、エネルギー消費量の低減や、より高い造水量や良好な透過水質の確保、設備運転コストの削減などが大きな課題となっている。特に、ホウ素など分子サイズが小さい中性物質は除去が困難であり、高い透水性を維持しつつ塩やホウ素の除去率を高めることがRO膜開発における重要な課題であった。
 今回、同社は長年培ってきた微細孔の精密制御技術および膜・エレメント形成技術をさらに高度化させ、ポリアミドの細孔径分布の定量解析や、DXを活用した膜と水分子の相互作用解析、細孔内における水分子の流動解析を組み合わせることで、塩やホウ素などの分子サイズの小さい物質の透過を大幅に抑制可能な新規膜構造を実現した。これにより、塩・ホウ素除去性能と高い透水性を、高次元で両立した新製品を開発した。

「TSWーK/M/Vシリーズ」

「TSWーK/M/Vシリーズ」

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー