東レは7月22日、総合物流企業である岡山県貨物運送およびNX備通との3社で、中京エリアと広島エリアの間における共同物流の取り組みを、2026年7月から開始したことを発表した。
今回の取り組みは、これまで同社の貨物を中京エリアから広島エリアに片道輸送していたオカケンと、同社顧客の貨物を広島エリアから中京エリアに片道輸送していたNX備通が、輸送計画の共有や運行スケジュール等の見直しによって、それぞれの往復輸送を可能にするというものである。
この取り組みを進めることによって、近年ますます顕在化するドライバー不足の問題への対応や、車両が貨物を積まずに走行する割合である空車率の低減を目指すとともに、物流の効率化により最大で約40%のCO2排出量削減を見込む。
物流業界では、トラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用された、いわゆる「物流の2024年問題」に加え、高齢化や担い手不足を背景としたトラックドライバー不足が深刻化しており、物流の持続可能性が大きな課題となっている。
こうした課題に対しては、空車率の低減が有効とされているが、従来の物流事業者単独での取り組みには限界があり、荷主を含めたサプライチェーン全体での対応が求められる。
これまで、同社のような荷主側では、個別の物流企業に片道のみの輸送を委託しており、また、物流企業の側では、複数荷主や複数拠点にまたがる往復物流は調整が難しく、往路では高い積載率を確保できても復路では積載スペースに余裕がある状況であった。
そこで同社は、広島エリアの顧客の協力を得て、オカケンおよびNX備通とともに、トラックドライバーの労働時間・運行規制を踏まえ、各拠点での積み込み・荷卸しのタイミングや運行スケジュールを見直すとともに、輸送計画を事前に共有することで、ドライバーの負担に配慮しながら高い積載率での往復輸送を可能とした。
また、荷主と物流事業者が連携し、ドライバーの労働時間制限を考慮した現実的な運行設計を行うことで、安定的な輸送力の確保と持続可能な物流体制の構築にもつながる。本取り組みは、荷主が主体的に運行条件を見直すとともに、荷主と物流事業者が協調して物流改革に取り組むことの意義を示すものでもある。

