DUNLOPと富士通が共同開発 AIサロゲートモデル

2026年06月05日

ゴムタイムス社

 DUNLOPは6月3日、富士通と、同社が長期経営戦略に掲げた設計のDXに向けて、タイヤの性能をAIで高精度かつ短時間で予測する技術AIサロゲートモデルを共同開発し、実証実験において成果を確認したと発表した。
 同実証実験では、開発した技術を、タイヤが路面に接地した時の変形挙動の予測に適用した結果、解析時間を従来の約45分から約5分へと大幅に短縮(約90%削減)するとともに、約60万要素(メッシュ)規模の解析を実現した。
 両社は、同実証実験の成果をもとに、タイヤ設計の開発支援ツールの開発を進め、同社において2027年4月の実用開始を目指す。これにより、同社はデータドリブンな開発を加速し、より安全性が高く環境性能に優れた高品質なタイヤをスピーディーに市場供給することを目指す。
 なお、同技術は、富士通が開発する高性能かつ省電力性を追求したArmベースの次世代CPU「FUJITSUーMONAKA」での動作を前提に設計している。今後、両社は同技術をベースに「FUJITSUーMONAKA」検証機での実証を2026年12月までに開始し、さらなる推論速度・精度および電力効率の最適化を目指していく。
 両社は、同社のタイヤ設計のノウハウや実設計データと富士通のAI技術を活用し、グラフニューラルネットワークのアルゴリズムをベースとしたAIサロゲートモデルを共同で開発し、タイヤの構造解析に関する実証実験を行った。実証実験では、タイヤの路面接地時における接地形状や接地圧分布など、変形挙動や接地特性の評価を対象とした。その結果、従来FEM解析では約45分を要していた解析を約5分での近似解析を実現し、FEM解析と比較してタイヤと路面の接地形状を平均87・7%の高い精度で予測できた。
 同技術により、従来は複数の設計プロセスを経て決められていたタイヤの構造や材料の仕様を、より少ないプロセスで短時間に決定できるようになる。これにより、意思決定がスピードアップし、性能向上だけでなく、コストの最適化も期待できる。なお、同成果の一部は2026年6月3日から開催されている第31回計算工学講演会において発表している。
 両社は、同AIサロゲートモデルについて、2026年12月までに「FUJITSUーMONAKA」検証機での実証を開始し、推論速度・電力効率の最適化を目指す。また、タイヤの構造解析の適用範囲を拡大するとともに、専門知識がなくても設計者が直接利用できる設計開発支援ツールとしての開発を進め、同社において、2027年4月の実運用開始を目指す。
 同社は、長期経営戦略「R・I・S・E・2035」のもと、「ゴムから生み出す新たな体験価値をすべての人に提供し続ける」ことを目指している。今回の富士通との共創により、独自の「ゴム・解析技術力」をさらに進化させ、同社のPurposeである「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる」を実践していく。
 富士通は、同取り組みをもとに、自動車産業をはじめとする製造業における大規模FEM解析への横展開を推進し、今後、「FUJITSUーMONAKA」とGNNを組み合わせたAI推論プラットフォームの開発とAIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」上での提供を通じて製造業の開発最適化と省電力化によるカーボンニュートラル推進に貢献する。

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