東レがUF膜の販売開始 業界最小クラスの公称孔径を実現

2026年05月19日

ゴムタイムス社

 東レは4月27日、優れた低ファウリング性能を有するRO膜プロセスの負荷低減と長期安定運転に寄与する限外ろ過膜の製品化を完了し、2026年5月より本格販売を開始すると発表した。なお、同製品は、2025年2月に同社が発表した高除去UF膜技術をベースに、下廃水再利用プロセス用途の事業化に向けて、量産化技術の確立および製品信頼性評価を完了した。
 世界的に水需要が高まる中、各国における下廃水規制は年々強化されており、水資源に制約のある地域では、下廃水再利用が安定的な事業運営を支える重要な取り組みとして位置付けられている。一方で、下廃水には多くの有機成分(バイオポリマー)が含まれており、これらが膜の閉塞を引き起こすバイオファウリング)の主要因となるなど、下廃水再利用プロセスにおける大きな課題となっている。
 同製品は、同社独自の微細孔制御技術により、業界最小クラスの公称孔径0・005µm を実現した限外ろ過(UF)膜となる。これにより、従来は十分な除去が困難であったバイオポリマーの透過量を同社従来品比で約1/3に低減したことを確認した。
 下水処理プラントでのパイロットテストでは、UF膜の透水量を維持したまま後段RO 膜のファウリングを抑制し、バイオポリマー起因のRO膜の造水量の低下を従来比で約1/3に低減したことを実証した。その結果、ROプロセスにおける薬品洗浄頻度や運転トラブルの低減が期待され、造水コストに加え、下廃水再利用プロセス全体のオペレーションコスト削減への貢献が期待される。
 今後は、下廃水再利用プロセスの導入が加速する北米市場を中心に、グローバルに展開していく。なお、同製品は、2026年5月4日~7日までドイツ・ミュンヘンで開催される国際環境技術見本市「IFAT Munich 2026」に出展予定となる。
 同社は、2026年4月からスタートした新中期経営課題IGNITION 2028の中で、水処理事業における海水淡水化、廃水再利用用途等での事業拡大を目指している
 今後も、高度な水処理膜ソリューションと、それを支える迅速かつ的確な技術サポートの提供を通じて、世界各地で顕在化する水問題の解決に貢献する事業活動を強力に推進していく。

下廃水再利用向け高除去限外ろ過(UF)膜

下廃水再利用向け高除去限外ろ過(UF)膜

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