東レが新しい粘着フィルム開発 離型紙ゴミ削減と使い勝手の向上

2026年04月23日

ゴムタイムス社

 東レは4月21日、粘着面に離型紙を使用せずに布製品へだけ密着する、新しい粘着フィルムを開発したことを発表した。フィルム表面にミクロンサイズの微細な凸構造を施すことで、離型紙がなくても粘着面がべたつかず、使用時には布にだけしっかり貼りつく特性を実現した。今後、この新しい離型紙を必要としない粘着フィルムを、さまざまな用途へ提案していく。

 一般的に、「貼るカイロ」やゼッケン、医療用パッドなど、布や衣服に貼り付けて使う粘着製品には、意図しない箇所や粘着面同士がくっつくことを防ぐために離型紙が挟まれている。使用時に必ずはがされる離型紙は、その多くが廃棄物として焼却処分されているが、こうした離型紙ゴミの削減や再資源化の在り方について、「資源循環プロジェクト」やラベル循環協会で検討が進められている。このような背景から、製品の使い勝手を維持しながら、離型紙を必要としない粘着技術への関心が高まっている。
 このたび同社が開発した粘着フィルムは、離型紙を使わずに粘着面を保護できる点に特徴がある。粘着層の上にミクロンサイズの凸構造(非粘着部)を設けた立体的な表面構造を採用し、この凸構造が粘着層への不用意な接触を物理的に阻害することで、未使用時のべたつきを防ぐ。そのため、指や、金属やプラスチックなどの平滑面では、凸部分のみが当たるため粘着層に触れず、さらさらとした触感が保たれる。一方、布や不織布などの繊維製品では、繊維が凸構造の隙間に入り込んで粘着層と接触し、高い密着性が得られる。こうした表面構造の制御により、布にはしっかり貼りつき、平滑面には付かないという選択的粘着性を実現した。

 一例として、本開発材を「貼るカイロ」に適用して離型紙レス構成とした場合、年間約247tの離型紙ゴミの削減効果が見込まれる。また、既存品に比べ、発熱体を除いたカイロの総重量を約60%、厚みを約38%削減でき、製品のコンパクト化と環境負荷低減を同時に実現する。

 今後は、2030年度に売上高10億円を目指して、日用品(冷却シート、パッド型おむつ、母乳パッド等)や、医療、アパレル分野への展開を図っていく。こうした幅広い分野での適用を通じて、より環境に配慮した製品づくりと作業効率向上を両立する新たな価値創出を目指す。

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