ランクセスは12月19日、同社の中国の寧波工場が、酸化鉄顔料の赤色顔料の生産における卓越したエネルギー効率の成果が認められ、中国石油化学工業連合会(CPCIF)より「2024年度石油化学工業重要製品エネルギー効率リーダー企業ベンチマーク企業」に選出されたことを発表した。同工場がこの賞を受賞するのは今回が2回目となる。
CPCIFが発表したエネルギー効率「リーダーリスト」は、石油化学業界のグリーンで高品質な製造の推進を目的としたものである。明確なベンチマークを設定することで、企業がエネルギー効率の基準を意識し、その継続的な改善に取り組むことを促している。ランクセスの寧波工場は、酸化鉄顔料の生産においてトップクラスの効率性を維持しており、グリーン製造とエネルギー管理における優位性を改めて示した。
寧波工場は、同社がグローバルに展開する無機顔料生産ネットワークの中核拠点として、長年にわたりグリーンプロセスの革新と応用に注力してきた。中国工業情報化省から「グリーン工場」として認定された国内初の酸化鉄メーカーとして、同工場では特殊な触媒を用いて排ガス中の窒素酸化物および亜酸化窒素を無害な窒素と水に変換する革新的な「寧波プロセス」を採用している。このプロセスによって年間で削減される温室効果ガス排出量は、中国国内の約30万世帯分の二酸化炭素排出量に相当する。
また、同社の環境への取り組みは、製品面での継続的な革新にも及んでいる。新たに発売された微粉化酸化鉄黄色顔料「バイフェロックス スコープブルー」シリーズは、持続可能な製品ポートフォリオを一層強化するものである。これらの製品は、より環境に優しい原材料と再生可能エネルギーを使用して製造されており、従来のバイフェロックス製品と比較して製品カーボンフットプリント(PCF)が約35%削減されている。この数値は、ドイツの第三者認証機関であるテュフラインランドによる認証を受けたライフサイクルアセスメント(LCA)によって確認されている。
ランクセスは、2050年までに上流・下流を含むサプライチェーン全体で気候中立を達成するという目標を掲げている。その実現に向けて開始した「ネットゼロ・バリューチェーン・プログラム」では、バリューチェーン全体の企業と連携し、段階的な炭素削減目標達成に貢献することを目指している。本プログラムは、持続可能な原材料、グリーン物流、気候中立製品という3つの柱を通じて、上流のサプライヤーと下流の顧客と連携し、ライフサイクル全体にわたるCO2の削減策を講じている。
ランクセスの気候保護への取り組みは、科学に基づく目標イニシアチブ(SBTi)によっても認められている。同機関はランクセスの排出削減目標を検証し、地球温暖化を最大1・5℃に抑えることに貢献していると評価した。

