三菱ケミがコークス事業撤退 2027年度下期で生産停止

2026年02月04日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループは2月2日、同社の連結子会社である三菱ケミカルの炭素事業において、コークス及び炭素材(ニードルコークス、ピッチコークス)から事業撤退することを、同社の執行役会議において同日決議したと発表した。
 同事業撤退に伴い合計で約850億円の非経常損失を見込んでおり、2026年3月期第3四半期決算において約190億円を非経常損失として計上する見込みとなる。残額の約660億円については2026年3月期第4四半期決算において見積計上する予定となる。
 同社は、2024年11月13日に公表した「KAITEKI Vision35」及び「中期経営計画2029」に基づき、事業ポートフォリオ改革を推進してきた。2024年8月1日付「炭素事業の構造改革に関するお知らせ」にて公表した通り、その一環として、中国を中心とした鋼材需要の長期的な不振を背景とした海外コークス市況の低迷継続という厳しい事業環境を踏まえ、コークス事業の生産体制の最適化及び販売政策の見直しにより、市況変動に左右されない事業構造への転換を進めてきた。
 炭素事業の構造転換において、コークスに関しては、生産規模の縮小による固定費の削減に加え、国内外の販売ポートフォリオの見直しや、原料炭リンク価格フォーミュラ導入等により収益改善は着実に進んでいる。また、炭素材においても、製品価格の改定に加え、徹底したコスト削減を実行し、同製品群の事業の継続を前提としたあらゆる収益改善策を推進してきた。
 しかしながら、中国における過剰生産やインドネシアでの大規模な新規設備稼働に起因する世界的な供給過剰により、海外コークス市況の低迷が長期化している。この構造的な問題は解消される見通しが立っておらず、収益改善に向けた各種施策や同社コークスの品質優位性をもってしても、中長期的な成長を実現することは困難であると判断し、コークスの生産を停止することを決定した。また、炭素材においても、足元では供給過剰や需要低迷が継続している。炭素材はコークス炉の稼働を前提とした生産体制であるため、コークスの生産を停止した場合、炭素材のコスト構造にも直接的な影響を及ぼす。
 これらの状況を踏まえ、同社が定める事業選別の3つの基準である「Visionとの整合性」、「競争優位性」、「成長性」に照らし、同社全体の事業ポートフォリオにおける同製品群の中長期的な位置づけを総合的に検討した結果、同製品群から事業撤退することを決定した。
 対象製品は、コークス及び炭素材(ニードルコークス、ピッチコークス)、なお、香川事業所で生産しているピッチ系炭素繊維及びそれを用いた関連製品、負極材については、今回の撤退の対象ではない。
 生産停止時期は2027年度下期、販売終了時期は生産停止後に順次販売終了、なお、生産停止後、速やかに設備の撤去を進めていく。同製品群の事業に携わる従業員(2026年2月2日時点)は約600名となる。
 同製品群からの事業撤退に伴い、同社の連結業績において、固定資産の減損損失、設備撤去費用及び従業員への支援措置に関連する費用等を含む非経常損失として合計で約850億円を見込んでいる。これらの影響については現時点において評価・精査を継続しているが、固定資産の減損損失等については合計で約190億円を見込んでおり、2026年3月期第3四半期決算において非経常損失として計上する予定となる。一方、設備撤去費用及び従業員への支援措置に関連する費用等については約660億円を見込んでおり、2026年3月期第4四半期決算において見積計上する予定となる。
 なお、これらの影響については、2025年10月31日公表の2026年3月期通期連結業績予想には織り込んでいない。同件に係る影響を踏まえた2026年3月期連結業績予想値は、同件以外の影響も含めた精査が完了次第速やかに開示する。

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