カナデビア子会社HZMEが設備投資 舶用エンジンの生産工場

2025年12月22日

ゴムタイムス社

 カナデビアは12月19日、同社連結子会社で、今治造船との合弁会社である日立造船マリンエンジン(HZME)が、アンモニアを燃料とした舶用エンジンの生産に向け、HZMEの本社兼工場に設備投資することを決定したと発表した。
 また、HZMEは、国土交通省と環境省の連携事業である「令和7年度国土交通省ゼロエミッション船の建造推進事業」での採択が決定した。
 2023年7月、国際海事機関(IMO)により、2050年頃までに温室効果ガス(GHG)排出の実質ゼロを目指すことが採択され、海事クラスターでは船舶の燃料をGHG排出が少ないLNGやメタノール、アンモニア等の新燃料へ転換する技術開発が進んでいる。
 HZMEは、従来から対応可能なLNG焚きに加え、2023年にはメタノール焚きエンジンの生産に向けた設備投資を行ったが、2030年以降の就航船において普及が見込まれるアンモニア焚きエンジンの製造に備え、この度の設備投資を決定した。
 HZMEは、舶用エンジンにおける世界の二大ラインセンサーであるEverllence SE(独)およびWinGD(スイス)のダブルライセンシーであり、今回導入するアンモニア燃料供給装置は両ライセンサーの基本設計に適合している。燃料供給装置以外にアンモニア受入設備や貯蔵装置などを導入し、2028年度中の運転開始を目指す。
 総投資額は約25億円であり、この一部は、HZMEがアンモニア焚きエンジンの製造について応募して採択された国土交通省「令和7年度国土交通省ゼロエミッション船の建造推進事業」の補助金によって賄われる。
 IMOのGHG排出実質ゼロ目標だけでなく、近年は脱炭素化を重視する荷主により、サプライチェーンとしての海事クラスターの脱炭素化が重要視され、新造船市場は活発化している。
 HZMEは舶用エンジンの新燃料への転換に対応した生産体制整備や技術開発に挑戦し、国際海運・造船業界に対する舶用エンジンの供給面において、積極的に貢献していく。
 同設備投資の実施会社は日立造船マリンエンジン、投資額は約25億円、導入場所は日立造船マリンエンジン本社兼工場、導入設備は、アンモニア供給装置、アンモニア貯蔵設備など、完成予定は2028年3月となる。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー