カナデビアが舞鶴工場へ設備投資 フィルムヒーターなど増産体制構築

2025年12月22日

ゴムタイムス社

 カナデビアは12月18日、半導体製造装置などに使用される電子ボードや、カーボンナノチューブ(CNT)を使用し東海道・山陽新幹線にも採用されているHiTaCaフィルムヒーターなどの製造拠点集約や増産体制構築のため、京都府舞鶴市の同社舞鶴工場への設備投資を決定しており、このほど新工場棟の建設工事を開始したと発表した。
 同社は、1950年代の陸上機械事業の拡大に伴い、電気・計装制御技術の重要性が高まる中、自社製品の高度化などを図るため、電子制御技術の開発の取り組みを開始し、1975年には電子制御機器事業を開始した。事業化以降、同社は舞鶴工場を電子制御機器関連の主要な生産拠点として、半導体製造装置や鉄道車両、食品工場など様々な分野に電子ボードや制御システム、映像記録装置などを納めてきた。
 舞鶴工場では、電子ボードおよびユニット製品を「電子機器センター」で、各種制御装置を「制御機器センター」で研究開発および生産を行ってきたが、近年の半導体市場の拡大を受け、電子機器センターを制御機器センターがある区画に移転・集約するのに合わせ、新たな「電子ボード工場」を建設し、生産能力を2・9万枚/年から4・9万枚/年に拡大する。
 また、電子機器センターではリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを用いたバッテリーマネジメントユニットや、HiTaCaフィルムヒーターなどの組立・装置化(ユニット化)も行っていたが、再生エネルギーを活用する大型蓄電池製品や半導体製造装置関連へのCNTヒーター応用製品の需要増を受け、第1・第2実験棟を「ユニット工場」として改築し、ユニット化専用工場として活用する。
 総投資額は約8・5億円であり、2026年8月までに全ての工事を完了する予定となる。
 同社は、今回の設備投資よって舞鶴工場における電子制御機器関連の生産能力を拡大させ、半導体やリン酸鉄大型蓄電池、CNT応用製品などの高まる需要に積極的に対応していく所存となる。
 なお、同設備投資額は約8・5億円、導入場所は同社舞鶴工場、施設規模は電子ボード工場が1122・25㎡(延べ床面積)、ユニット工場第1実験棟が576・69㎡(延べ床面積)、第2実験棟が569・15㎡(延べ床面積)、稼働予定は電子ボード工場が2026年9月から、ユニット工場が2026年4月からとなる。

新設する電子ボード工場の完成イメージ図

新設する電子ボード工場の完成イメージ図

 

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