年頭所感 日本ゴムホース工業会 森重道会長

2026年01月01日

ゴムタイムス社

 令和8年の新春を迎え、謹んで新年のご祝詞を申し上げます。

 昨年を振り返りますと、ウクライナ情勢の長期化や中東地域の緊張に加え、米中摩擦の激化やAI技術開発競争など、複雑な要因が絡み合い、国際情勢は一段と不安定さを増しております。経済面におきましても、米国の通商政策による影響が懸念される中、各国の企業は関税の影響を回避する動きを強めておりますが、依然として先行きが不透明な厳しい環境が続いております。

 日本経済につきましては、昨年のGDPが7ー9月期に一時マイナス成長となったものの、全体としては内需主導の緩やかな回復基調にあると見ております。米国の関税政策の影響により、自動車を中心とした輸出は低迷致しましたが、雇用所得環境の改善に伴う個人消費の持ち直しや、企業の省人化・DX・GX投資の拡大が景気を下支えしております。一方で、高市新政権の経済政策への期待が高まる半面、近隣国との関係の動向の影響も懸念され、予断を許さない状況といえます。

 このような情勢下、ゴムホース業界におきましては、実体経済の動向を注視し、市場の変化と需要動向へ機敏に対応しつつ、継続的な変革に挑戦し続ける企業経営が肝要であると考えております。

 昨年のゴムホース生産・出荷実績ですが、新ゴム生産量は、その他用ホースが前年を下回ったものの、自動車用ホースが好調に推移、高圧用ホースも一昨年以前の水準には及ばないものの前年を上回り、全体では前年比2・8%増の3万2970tの見込みです。出荷金額につきましても、前年比2・3%増の1390億円と前年を上回る見込みです。 

 貿易面では、輸出がアジア向け(約9・7%減)や北米向け(約17%減)の落ち込みにより、全体で前年比約9%減の540億円を見込んでおります。一方、輸入はアジア、北米、欧州の主要3地域いずれも前年を上回り、総輸入額は前年比約7%増の278億円となる見通しです。

 さて、本年の見通しですが、ゴムホースの新ゴム生産予測量は、前年比0・5%増の3万2840t、出荷金額は前年比0・1%増の1391億円と、いずれも微増を予測しております。

 品種別の見通しですが、自動車用ホース(生産構成比約71%)は、米国関税の影響が不透明ではありますが、四輪車生産における米国への輸出減を他地域で補うことで台数は横ばいと推定し、生産量は前年比0・6%増と予測しています。

 高圧用ホース(生産構成比約14%)は、土木建設機械向けは北米・欧州での金利高の影響緩和や国内の安定した公共投資により横ばい、工作機械向けは人手不足を背景とした省人化・自動化投資や半導体関連需要が堅調に推移すると見込み、全体としてほぼ横ばいと予測しています。その他用ホース(生産構成比約15%)は、一般汎用ホースや産業用ホースの需要が安定基調で推移し、こちらも前年比ほぼ横ばいと予測しています。
 以上の通り、本年の生産量は昨年をわずかに上回るレベルで推移する見通しです。

 また、輸出入につきましては、輸出が508億円(前年比約6%減)、輸入が290億円(前年比4%増)と予測しています。

 こうした業界動向の中、当工業会は国際化への対応として、平成12年よりISO機関のホース部門(TC45/SC1)における正式メンバー(Pメンバー)として、日本の実状をISOに反映させるべく活動して参りました。昨年は、インド・ニュ-デリ-で開催された国際会議にて、当会の技術委員が参画し、プロジェクトリーダーとして積極的な提案を行い、成果を上げることが出来ました。本年もスウェーデンで開催予定の国際会議に参画し、Pメンバーとしての活動をさらに推進して参る所存です。

 不透明感が払拭されず変化の激しい環境下ではございますが、当工業会と致しましては、様々な産業分野における重要な機能部品であるゴムホースの供給を通じ、社会的責任を果たすとともに、社会に貢献する価値の創造に努めて参ります。
 末筆ながら、本年が皆様にとって飛躍の年になりますことを祈念致しまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。

森重道会長

森重道会長

 

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