メクテックらが実証実験開始 構造物のひずみをリアルタイムで検知

2025年09月29日

ゴムタイムス社

 NOKのグループ会社であるメクテックは9月24日、大阪大学産業科学研究所、荒木徹平准教授らとの共同研究成果に基づき、インフラ構造物の微細なひずみをリアルタイムで検知できるフレキシブルプリント基板(FPC)「ひずみセンサ」を新開発し、2025年8月25日より、滋賀県の鉄道インフラおよび道路を対象に実証実験を開始したと発表した。
 同実証実験は、大阪大学先導的学際研究機構が推進する「住民と育む未来型知的インフラ創造(FICCT)拠点」ブログラムの一環として実施されるものであり、荒木准教授は同拠点の副プロジェクトリーダーを務めている。メクテックは同プログラムにおいて唯一の民間幹事機関として参画しており、HAKATTE、および近江鉄道線管理機構、東近江市の協力を得て、地域インフラの高度なモニタリング技術の実証を進めている。
 同実証実験では、「ひずみセンサ」によりコンクリートや金属の微弱なひずみをリアルタイムで検知し、データを分析することで、従来の目視点検では捉えにくかった異常を早期に把握できる。社会実装を進めることで、インフラ管理の新たな手法の確立を目指す。
 住民と育む未来型知的インフラ(FICCT)拠点プログラムでは、鉄道インフラを地域の資産と捉え、先進技術の導入により新たな価値を創出することを目指している。プログラムの一環として開発した「ひずみセンサ」は、従来の点検では捉えにくい異常を早期に発見可能にすることで、インフラ管理の効率化と新たなメンテナンス手法の確立を図る。
 開始日は2025年8月25日、対象物は滋賀県東近江市の長大橋、近江鉄道線の線路・鉄橋など、実験内容は、「ひずみセンサ」を構造物に設置し、構造物の状態を継統的にモニタリングする。振動や金属・コンクリートの膨張など、微弱なひずみのデータをリアルタイムで収集し、分析する。
 「ひずみセンサ」は、振動や膨張・収縮によって生じる抵抗値の変化を検知するFPCで、コンクリートの構造物ヘの設置を想定し設計した。導電素材にはカーボンを採用し、優れた耐腐食性と耐久性を確保している。また、実用化、大量生産を見据え、従来のFPC製造方法と比べて環境負荷の低いプリンテッドエレクトロニクス技術を採用している。
 今回の実証実験を通じて得たデータは、将来的なインフラ管理に活用される予定となる。インフラの異常を早期に発見することで、災害や事故の未然防止、メンテナンスの効率化にもつながる。メクテックでは、2025年度中に試作を開始し、2030年の量産化を目指す計画となる。FPCの技術を通じて、より安全で持続可能な社会インフラの構築に貢献していく。

ひずみセンサ

ひずみセンサ

ひずみセンサ設置例

ひずみセンサ設置例

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