三菱ケミ事務局の化学品WG開始 鉄道輸送の共同物流実証実験

2025年07月31日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルは7月29日、「フィジカルインターネット実現会議・化学品ワーキンググループ」が東海・中国地区での鉄道輸送による共同物流の実証実験を開始したと発表した。
 経済産業省・国土交通省が主導する「フィジカルインターネット実現会議」内に設置されている「化学品ワーキンググループ」は、2025年8月~2026年1月の期間で東海・中国地区における鉄道輸送による共同物流実現に向けた実証実験を開始する。
 「化学品ワーキンググループ」には、現在、荷主事業者、物流事業者を中心とする81企業・1大学、日本化学工業協会、石油化学工業協会、経済産業省・国土交通省の関連各部署等が参加しており、同社は、三井化学、東ソーおよび東レとともに事務局を務めている。共同物流のエリア拡大と輸送モード変更を進めるため、鉄道輸送分科会参加会社の輸送データをもとに、鉄道輸送による共同物流の実証実験を行うことにした。
 一般的に利用されている12フィートコンテナに対して、31フィートコンテナは積載効率が高く、1コンテナ当たりの積載可能量が大きい。しかし、単独荷主では工場から消費地への輸送方向が一方向に偏る等、効率的な運用が難しいことが課題となる。この実証実験では、輸送数量の多い東海・中国地区で、名古屋貨物ターミナル駅、広島貨物ターミナル駅・大竹駅を発着地として専用の31フィートコンテナを複数荷主で運用することで、最適な輸送に向けた鉄道輸送による共同物流の標準スキームの構築を目指す。
 実証実験参加者は、荷主、同社・東ソー・三井化学、物流会社、JR貨物・日本通運となる。
 同社、東ソーからの発荷を名古屋貨物ターミナル駅発で中国地区へ輸送、三井化学からの発荷を大竹駅発で東海地区へ輸送する。31フィートコンテナを活用するために必要な各種申請、課題を抽出することで、実装に向けた標準スキームとして取り纏めを行う。
 今回の実証実験を通して単独荷主のトラック輸送から、専用コンテナを複数荷主で運用する鉄道輸送にモーダルシフトすることで、GHG削減、複線化によるBCP対応、定時運行性の向上に加え、ドライバー労働時間削減、長距離トラック台数削減、モーダルシフトで生まれたトラック輸送の余力活用にも期待することができる。
 今後、化学品WGでは、中長距離輸送においてトラック輸送のモーダルシフト、エリア集荷・配送などの物流協力、資材・コードの標準化やペーパーレスなど物流効率化の検討を進めていく。

31フィートコンテナ

31フィートコンテナ

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