住友ゴム工業と日本電気は7月14日、世界で競争力のある研究開発基盤の構築と新たな事業機会の探索・創出に向けて、戦略的パートナーシップに関する覚書(MOU)を締結したと発表した。
同協業において両社は、製造業における従来の研究開発の枠組みを抜本的に変革し、社会課題の解決や中核となる新たな事業の創出を目指す。
このたびの協業では、「世界で競争力のある研究開発基盤の構築」と「両社技術・知見を掛け合わせた新たな事業機会の探索と創出」の2軸に取り組む。両社は今秋までに具体的なテーマを協議・選定し実行計画を策定するとともに、2026年には先行テーマの実証と成果の創出を目指す。
同活動では、NECの有する先端技術と世界トップレベル研究者の最先端かつ専門性の高い技術知見を活かし、ユーザーの高度な技術活用とDXを支援する「NEC先端技術コンサルティングサービス」の枠組みをさらに広げる。
具体的には、住友ゴムのモノづくり研究開発ノウハウも活用し、材料探索・解析技術の高速化・高度化や労働人口減少に対応した、世界で競争力のある研究開発基盤の構築を目指す。同活動を通じて、研究開発人材の仕事そのものをゲームチェンジし、イノベーション創出を行う仕組みを確立する。
両社が保有する先端技術と知財を掛け合わせ、社会インフラ、宇宙・防衛、ヘルスケアなど多様な産業・領域で新たな事業機会の探索と創出を目指す。
具体的には、住友ゴムが保有する高機能ゴムに関する技術をNECの事業分野に応用・適用することや、NECが保有するAI技術を住友ゴムが手掛ける新事業へ適用することを検討している。さらに、「世界で競争力のある研究開発基盤の構築」において取り組む、マテリアルズ・インフォマティクスなどの先端ICTを活用したDX推進により、知財の迅速な創出を目指していく。
住友ゴムは長期経営戦略「R.I.S.E.2035」のもと、「ゴムから生み出す新たな体験価値をすべての人に提供し続ける」事を目指している。この戦略の一環として、新たな領域への挑戦を進めており、今回のNECとの協業はその取り組みのひとつとなる。今後は、実用化に向けた活動を加速させ、住友ゴムのPurposeである「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる」を実践していく。
NECの新規事業開発は、「仕掛けよう、未来。」をキーメッセージに、スタートアップやパートナー企業との多彩な共創を通じた「NEC Open Innovation」を推進している。今回の住友ゴムとの協業もその一環として取り組んでいるもので、革新的な技術と領域を超えた連携により、これからも社会価値を生み出し、新しい未来を創造していく。
2025年07月15日