ミシュランは6月20日、同社のタイヤが採用された2025年のル・マン24時間レースについての総括を発表した。今大会では110人の同社モータースポーツのスタッフが動員され、21台のハイパーカーをサポートし、合計4100本のタイヤを用意、そのうち3700本は輸送の二酸化炭素排出量を削減するために事前に配送された。
週末の日曜日には晴天に恵まれ、第93回ル・マン24時間レースの開催に理想的なコンディションで幕を閉じた同レースでは、8つのハイパーカーメーカーが競い合い、そのすべてがミシュランタイヤを装着し、一貫したタイヤパフォーマンスが再び印象に残るレースとなった。
同レースでは、AFコルセと#83フェラーリ499P(ロバート・クビサ、イェ・イーフェイ、フィリップ・ハンソン)が勝利を収めた。2位には、#6ポルシェ963(マット・キャンベル、ケヴィン・エストレ、ローレンス・ヴァントール)がパフォーマンスとレジリエンスを発揖し、3位には#51フェラーリ499P(アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョビナッツィ)を抑えた。
今回、AFコルセとフェラーリが勝利を収めたことで同社は、1998年にサルトサーキットに公式復帰して以来、ル・マンで28連勝を達成した。一方、フェラーリはル・マン24時間レースで3連勝を飾り、2025年のFIA世界耐久選手権では、すでに最初の3戦で優勝している「跳ね馬」として優位性を示している。
今回のル・マン24時間レースはパフォーマンスだけでなく、2025年は同社の循環型経済戦略の新たなマイルストーンでもあった。スウェーデンのスタートアップ企業、ENVIROとのパートナーシップにより、レース中に使用されるすべてのハイパーカー用タイヤは熱分解によってリサイクルされ、カーボンブラック、オイル、スチールを将来の生産のために回収することを可能にしている。
同社は更なる革新を続けており、デモンストレーションタイヤには現在、71%の再生可能材料とリサイクル材料が使用され、2050年までにすべてのタイヤを100%持続可能なものにする目標に向けたひとつの指標を示している。これらの技術は水素を動力源とする「H24EVOプロトタイプ」と全電動車である「Porsche GT4 ePerformance」用タイヤとしてすでに装着されている。