クラレは6月3日、ポリエステル事業において、同社生産子会社であるクラレ西条におけるポリエステル樹脂およびポリエステル長繊維の生産を終了することを決定したと発表した。
同社は1969年、長繊維用ポリエステル樹脂の生産およびポリエステル長繊維〈クラベラ〉の生産販売を開始した。加えて、1987年から成形用ポリエステル樹脂〈クラペット〉の生産販売も行っている。
しかし、近年は市場環境の変化や設備老朽化による維持更新費用の増加に伴い、同社のポリエステル関連事業は厳しい状況に置かれている。これまで事業継続につき検討を進めてきたが、今後安定した生産および事業継続可能な収益を確保していくことが困難との判断に至った。
生産を終了する製品は、繊維用ポリエステル樹脂が2026年12月末までに生産終了(一部の銘柄については、2025年12月末生産終了)、成形用ポリエステル樹脂〈クラペット〉は2026年12月末までに生産および販売を終了、ポリエステル長繊維〈クラベラ〉は2026年12月末までに生産終了となる。
クラレ西条におけるポリエステル樹脂およびポリエステル長繊維の生産は終了するが、関連製品につきましては、以下のように販売を継続する。
ポリエステル長繊維関連製品は、ポリエステル長繊維のOEM調達により、クラレトレーディングによる関連製品の販売を継続(ただし、原糸販売の一部銘柄は販売を終了)、ポリエステル短繊維関連製品は、倉敷事業所で生産する関連製品の販売を継続する。
同社グループは中期経営計画「PASSION 2026」において、事業ポートフォリオの高度化を重要施策と位置づけ、コア事業への重点的な資源配分と、縮小・撤退事業の見極めを進めている。社会・環境価値、経済価値および市場成長性を考慮の上、事業・製品の構成組み換えを継続することによりポートフォリオの高度化を実現していく。
2025年06月05日