マテリアルはMOD拡販で増益 カネカの25年3月期

2025年05月19日

ゴムタイムス社

 カネカの2025年3月期連結決算は、売上高が8072億円で前年同期比5・9%増、営業利益が400億5000万円で同22・9%増、経常利益が328億6300万円で同12・5%増、当期純利益は253億900万円で同9・0%増となった。
 セグメント別に見ると、マテリアル・ソリューションズ・ユニットの売上高は3429億600万円で同6・2%増、営業利益は309億6100万円で同12・6%増となった。
 Vinyls(塩化ビニル樹脂)は、価格改定を進めたが、アジア市況の下落の影響を受け、減益となった。
 MODは、欧米の建築需要の回復が遅れるなか、事業競争力強化の取り組みと非塩ビ用途・MXの拡販により大幅な増益となった。
 MSは、他にないユニークな機能特性を活かした拡販策により販売が堅調に拡大し、増益となった。ベルギーの生産能力増強設備を最大限に活かし、さらに拡販を進めていく。
 Green Planetは、国内外の引き合いが増加している。スターバックスコーヒージャパンでの採用実績が新しいモメンタムを創出し、大手ブランドホルダーとの大型案件の取り組みが加速している。
 クオリティ・オブ・ライフ・ソリューションズ・ユニットの売上高は1909億8400万円で同8・4%増、営業利益は200億2700万円で同30・4%増となった。Foamは、価格改定を進めたものの、自動車分野や農水産・建築分野での需要減および 原料高の影響より減益となった。
 PVは、国内で戸建て住宅向け高効率太陽電池の販売が堅調に推移した。
 E&Iは、年間を通じてポリイミドフィルム・液晶TV用アクリル樹脂が高水準の販売を実現し、大幅な増益となった。
 Fiberは、頭髪製品の販売が着実に増加した。難燃ファブリック分野の需要も拡大している。
 2026年3月期の連結業績予想は、売上高が8200億円で前年同期比1・6%増、営業利益が420億円で同4・9%増、経常利益が380億円で同15・6%増、当期純利益は330億円で同30・4%増を見込んでいる。

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