高分子事業は増収大幅増益 ユニチカの25年3月期

2025年05月19日

ゴムタイムス社

 ユニチカの25年3月期連結決算は、売上高が1264億1100万円で前年同期比6・8%増、営業利益は58億5100万円(前年同期は24億7500万円の損失)、経常利益は46億9300万円(同10億1400万円の損失)、親会当期純損失は242億8300万円(前年同期は54億4300万円の損失)となった。
 セグメント別に見ると、高分子事業の売上高は553億9300万円で同8・5%増、営業利益は60億円(前年同期は6億300万円の営業利益)となった。フィルム事業では、主力の食品包装用途において、期間を通じて市況が回復したことで、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルムともに販売量が回復した。工業分野では、一部の半導体関連用途は堅調だったが、その他の工業用フィルムの販売が伸び悩み、同分野全体での販売量は横ばいだった。また、コストダウン施策の効果により営業利益は増加した。
 海外においては、不採算販売の見直しにより、収益は改善したが、安価製品との価格競争が続いた。この結果、事業全体で増収増益となった。
 樹脂事業ではエンジニアリングプラスチックは、自動車部品用途の販売が期間を通じて低調であったほか、電気電子部品の需要回復が遅れている影響で販売量が減少した。売上高は微増に止まったが、価格改定を実施した効果で営業利益は大幅に改善した。
 機能樹脂は、接着剤、コーティング用途において高機能製品の販売が伸長し、収益は大幅に向上した。
 機能資材事業の売上高は370億3700万円で同8・3%増、営業利益は2億9800万円(前年同期は24億7800万円の損失)となった。ガラス繊維事業では、産業資材分野は、建築資材用途の市況が好調で、不燃テント・シート等の販売が伸長した。電子材料分野は、生成AIや関連するデータセンター向けの特定分野で好調を継続する一方、汎用半導体市況は本格的な回復まで至らない中、同社商品は携帯端末向けのハイエンドメモリを中心に、半導体パッケージ基板向けに高機能ガラスクロスの販売が伸長した。

 26年3月期の連結業績予想は、現時点で合理的な業績予想の算定ができないことから、未定となっている。

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