東洋紡がGHG排出量をウェブ公開 フィルム製品サプライチェーンで活用

2025年04月28日

ゴムタイムス社

 東洋紡は4月25日、サプライチェーンにおける温室効果ガス(GHG)排出データの活用促進に寄与することを目的として、フィルム製品の重量当たりのGHG排出量を2025年3月にウェブサイト上で公開したことを発表した。

 地球規模の課題である気候変動への対策として、世界全体でGHG排出量の削減に向けた取り組みが進む中、近年では、自社の事業活動領域でのGHG排出量だけでなく、サプライチェーン全体でのGHG排出量の削減が国際的な焦点となっている。サプライチェーン全体のGHG排出量の算定は、優先的な排出源の特定や、事業者同士の連携による環境負荷削減施策の取り組みにとって重要である一方で、算定対象が広範囲に及ぶことからデータ収集の負担が大きいことなどの課題が挙げられている。

 これを受けて同社は、サプライチェーンにおけるGHG排出データの活用促進に寄与することを目的として、同社が製造販売する包装用フィルム製品ならびに工業用フィルム製品の汎用銘柄について、GHG排出原単位データを同社のウェブサイト上で公開した。また、算定に使用した「製品別のカーボンフットプリント算定ルール」についても要望に応じて開示することとし、算定者が異なっていても算定結果について比較主張が可能となるよう配慮した。今後も同業各社やサプライチェーンにおける関係各社の意見を幅広く取り入れることで算定ルールの改善に努め、透明性の高いルールに基づいたGHG排出量の算定促進に努める。

 同社グループでは、地球温暖化・気候変動を事業活動の継続に関わる大きなリスクの一つと認識し、2050年度までにGHG排出量をネットゼロ(実質ゼロ)とする「カーボンニュートラルの実現」を目標に掲げている。今後、開示したフィルム製品のGHG排出原単位データを積極的に活用してもらうことや、各社の意見を反映することで開示データの透明性を向上させることを通じて、サプライチェーン全体におけるGHG排出量の削減に寄与できるよう努めていくとしている。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー