新年度が始まった4月1日、多くのゴム企業でも25年度入社式が行われた。その中で、ゴム企業トップから新入社員に発せられたのは、先行き不透明な時代において次の時代を担う新入社員の活躍を期待し、「情熱」を忘れず「努力」を重ねるようにというメッセージが目立った。
ブリヂストンの石橋秀一グローバルCEOは新入社員70人を前に「皆さんに覚えていただきたいのはブリヂストンの使命、『最高の品質で社会に貢献』。この使命を、しっかりと理解し自分ごととしてほしい。ブリヂストンのDNAである『品質へのこだわり』、『現物現場』、『お客様の困りごとに寄り添う』、『挑戦』と、ブリヂストンの大原則『タイヤは生命を乗せている』も必ず理解し、心に刻んでほしい」と激励した。
住友ゴム工業の山本悟社長は新入社員140人を前に、「変化の激しい環境の中で、当社がたくましく生き抜き、社会に貢献し、そして全てのステークホルダーを幸せに導く。そのためのぶれない共通の指針として『Our Philosophy』を大切にしてほしいと思う」と話し、社会人として大切にしてほしいこととして「素直な気持ち」「一生懸命に努力する」「熱い想いと果敢に挑戦」を挙げた。
横浜ゴムの清宮眞二社長は「当社の基本理念は、『心と技術をこめたモノづくりにより、幸せと豊かさに貢献する』です。1917年に創業し、100年以上続いている会社になるが、この基本理念は創業時から言葉を変えつつも受け継がれており、一貫して私たちがこだわり続ける『目指すべき姿』です。皆さんにもこの理念を受け継いでいただき、次の100年に向けた成長につなげていこう」と挨拶した。
TOYO TIREの清水隆史社長は「仕事人生においては、必ずしも思い通りにならない場面も多々あることだろう。しかし、あきらめずに挑戦を続け、一つひとつを積み上げていく地道な努力を惜しまないでほしいと思う。当社は愚直な力によって強くなってきた会社。皆さんの力と挑戦がTOYO TIREの新しい歴史を作っていく。いっしょに、新しい未来を描いてほしいと思う」と新入社員に伝えた。
豊田合成の齋藤克巳社長は新入社員177人に「事業環境が急速に変化する中で、当社は将来のモビリティ社会や脱炭素社会を支えるために取り組んでいる。一見単調に思える仕事にも成長の機会があり、自分の視点や取り組み方次第で面白さが生まれる。感謝の気持ちを持ち、言葉や行動でしっかり伝えることが、より良い職場環境や信頼関係の構築につながる」と話し、新入社員へエールを送った。
バンドー化学の植野富夫社長は心掛けてほしいこととして次の3つを話した。「1つ目は、『自分自身を磨き続ける』ということ。仕事の多くは、これまで学んだ知識だけでは対応できないことが数多くある。また、これまでの常識が通用しなくなり、新しい考え方を習得して対応していかねばならないことも多くあると思う。ここで大事なことは、「謙虚に学ぶ」ということ。2つ目は、『正解は自分で導き出すこと』。3つ目は、『失敗を恐れず主体的に行動すること』。考え抜いて、必要な準備を怠らないことは必要だが、やってみないと分からないことは、主体的に行動を起こしてみてほしい」と伝えた。
日本ゼオンの豊嶋哲也社長は「一人ひとりが各人のミッションを的確に把握し、『公正で誠実な活動を貫く』ことは、組織にとって大きな推進力となる。『目立たない仕事でも手を抜かない』『人が見ていなくてもルールを守る』といった基本動作の徹底は、一見無駄に思えるかもしれないが、非常に重要なことであり、かつ案外守ることの難しさもある。社会人1年生になった今、公正で誠実な活動を貫くことの大切さと難しさについて考えてみてほしい」と話した。
2025年04月04日