SEMIが市場予測を発表 半導体製造装置販売額が過去最高

2024年12月10日

ゴムタイムス社

 SEMIは12月9日、SEMICON Japan 2024において、世界半導体製造装置の2024年末市場予測を発表した。それによると、2024年の半導体製造装置(新品)の世界販売額は過去最高となる1,130億ドルに到達し、前年比6・5%の成長となる見込み。半導体製造装置市場の成長は、前工程および後工程の両面に支えられて翌年以降も継続し、2025年には1,210億ドル、2026年には1,390億ドルと最高額を更新し続けることが予測される。

 同社のプレジデント兼CEOであるアジット・マノチャ氏は、「半導体製造への投資が3年連続で伸びると予測されたことは、この業界が世界経済を支え、技術革新を進める上で重要な役割を果たしていることを反映しています。2024年7月の予測以来、2024年の半導体装置販売額の見通しは明るくなっており、特に中国およびAI関連分野からの投資が予想を上回っています。2026年までの予測延長と合わせて、セグメント、アプリケーション、地域のそれぞれにわたる力強い成長ドライバーを浮き彫りにしています」と述べている。

 セグメント別予測として、ウェーハファブ装置分野(ウェーハプロセス処理装置、ファブ設備、マスク/レチクル製造装置)の販売額は、2023年に960億ドルの過去最高額を記録した後、2024年は5・4%増の1,010億ドルへと成長することが予測される。これは同社が今年年央に予測していた980億ドルを上回る予測となる。この上方修正は、AIコンピューティングからの需要に牽引されたDRAMおよびHBMへの好調な設備投資の継続を主に反映している。加えて、中国の投資も引き続きウェーハファブ装置市場の拡大に大きく貢献している。 今後、ウェーハファブ装置分野の販売額は、先端ロジックとメモリアプリケーションの需要増加により、2025年に6・8%増、2026年に14%増となり、1,230億ドルに達することが予測される。

 後工程装置分野は過去2年連続して減少したが、2024年は、特に下半期において力強い回復をした。2024年のテスト装置の販売額は13・8%の71億ドルが、また組み立ておよびパッケージング装置の販売額は22・6%増の49億ドルが予測されている。さらに後工程分野の成長は加速し、テスト装置は2025年に14・7%増、2026年に18・6%増の成長が、また組み立ておよびパッケージング装置は2025年に16%、2026年に23・5%の成長が見込まれる。後工程分野の成長を支えているのは、ハイパフォーマンスコンピューティング用半導体デバイスの複雑化、そしてモバイル、車載、産業用需要が増加するためとの観測。

 アプリケーション別販売額として、ウェーハファブ装置のファウンドリおよびロジック分野向け販売額は、成熟ノードの投資に支えられて、前年比横ばいの586億ドルを維持する見込み。この分野は最先端技術やGAAなどの新しいデバイス構造導入からの需要と生産能力拡大のための需要に支えられて、2025年に2・8%、2026年に15%成長し、693億ドルに達する見込み。

 2024年のメモリ関連の設備投資は、AI用のHBM需要ならびに継続する技術移行に支えられて、2026年にかけて大幅に増加することが予測される。NAND製造装置の販売額は、2024年は比較的軟調にとどまり、0・7%増の93億ドルが見込まれるが、需給の正常化が進む結果、2025年には年に47・8%増の137億ドル、2026年には9・7%増の151億ドルへと拡大していく見込み。一方、DRAM製造装置の売上は、2024年に35・3%増と力強く成長して188億ドルに達し、その後も2025年には10・4%、2026年には6・2%の成長が見込まれている。

 地域別販売額として、中国、台湾、韓国は、2026年まで装置購入額のトップ3を維持することが予想される。中国は、景気減速が予測されているにもかかわらず、装置購入が引き続き底堅いことから、今回の予測期間中はトップの座を維持する見込み。中国への装置出荷額は、2024年に過去最高の490億ドルに達すると予測され、他地域に対するリードを確固たるものにするとしている。ほとんどの地域で、設備投資額は、2024年に減少し、2025年に回復することが予想されるが、中国は2022~2024年の3年間の大規模投資を受けて、2025年は縮小する見込み。2026年には、すべての地域で増加することが予測される。

 同社の本予測は、最大手半導体製造装置メーカーの見解、世界半導体製造装置市場統計(WWSEMS)、World Fab Forecastデータベースに基づくもの。

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