下関三井化学が受賞 海運モーダルシフト大賞

2024年06月13日

ゴムタイムス社

 三井化学の100%子会社である下関三井化学は6月12日、同社関係会社の活材ケミカル、ダイキン工業と3社共同でエコシップ・モーダルシフト事業実行委員会から令和5年度海運モーダルシフト大賞を受賞したと発表した。
 フェリー事業者やRORO船、コンテナ船、自動車船事業者等で組織するエコシップ・モーダルシフト事業実行委員会は、国土交通省海事局の協力を得て、海上輸送への転換を通して環境対策に貢献する企業への支援を目的に平成20年7月「エコシップマーク認定制度」を立ち上げた。
 令和6年3月22日に開催したエコシップ ・ モーダルシフト事業者選定委員会において、令和5年度の「エコシップマーク」優良事業者46社(荷主23社、物流事業者23社)が選ばれ、そのうち特に革新的な取り組みを行った同社、活材ケミカル、ダイキン工業の3社共同の取り組みに対し「海運モーダルシフト大賞」が授与された。
 受賞理由は、活材ケミカル(物流事業者)の仲介で、ダイキン工業(発荷主)と同社(着荷主)が連携し、再資源化した再生蛍石を海上輸送(内航コンテナ船社、井本商運)する取り組みが高く評価された。
 海上輸送を組み合わせたことによる環境負荷の最小化(CO2排出量の69・2%削減)、およびトラック運転手の労働時間を削減(2024年問題への対応)している点や、同社が海外から調達しているフッ素源を、従来国内で廃棄していたフッ素含有産業廃棄物に含まれるフッ素に置き換え、蛍石(フッ化カルシウム)に有効利用、循環型社会の構築へ貢献しているという点、再資源化した再生蛍石を海上輸送するための専用大型コンテナを開発し、大ロット化による輸送頻度の削減および作業性を向上している点などが評価された。
 同社代表取締役社長余川尚和氏は、「当社は、三井化学グループの中核グループ会社として、燐酸系事業の製造・販売・研究を主体に「世界で存在感のある燐酸系専業企業」を将来像として目標に掲げ、グローバルな舞台で親しまれ、尊敬される企業を目指して日々積極的な企業活動を展開している。その中で、2000年の会社設立当初から、独自に開発した技術により、各産業から排出される産業廃棄物を回収し再資源化するサービスを事業化。特に従来回収再利用が難しいとされていた、フッ酸、硫酸、燐酸、フッ化カルシウム、リン酸カルシウム等を当社製品原料の一部として再利用している。今後更に、この環境事業を通して当社の理念である地球環境との調和、4R(Replace、Reduce、Reuse、Recycle)の追求に邁進していく。また、三井化学グループとして今後も地域と社会の期待と信頼に応え、社会と化学産業の持続可能な発展に貢献していく。」とコメントしている。

大賞に選ばれた3社の記念撮影

大賞に選ばれた3社の記念撮影

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