袖ケ浦の研究開発拠点が受賞 三井化学、千葉県建築文化賞

2024年05月24日

ゴムタイムス社

 三井化学は5月23日、同社の研究開発拠点である「VISION HUB SODEGAURA」(旧、袖ケ浦センター)のリニューアルプロジェクトが、第30回千葉県建築文化賞一般建築物の部 優秀賞を受賞し、2024年3月21日に表彰式が千葉市内にて行われたと発表した。
 同拠点は1987年に完成した敷地面積23万7100㎡、建築面積2200㎡、延べ面積1800㎡に及ぶ低層で大規模な同社最大の研究拠点。竣工から30年以上経過した建物は、老朽化や現在のワークスタイルにそぐわなくなった課題を多く抱えていた。
 「三井化学 袖ケ浦センター リニューアルプロジェクト」では、これらの問題・課題を解決しつつ、既存の建物の水平に広がる開口部と成熟した外部環境を活かし、内外に連続する交流空間を生み出す体験ができるように計画した。また、設計に先立ち、若手研究員中心のワーキンググループ 「超石化プロジェクト」を立ち上げ、DIYによる小規模改修からスタート、細やかな工期のローテーションを実施しながら「みんなの研究所」のあり方を探求していった活動も高く評価された。
 受賞関係者は、建築主同社、設計は、洲﨑洋輔設計事務所、アクシス、MTDO、施工は、バウハウス丸栄となる。
 「超石化プロジェクト」は、同社グループ最大の研究開発拠点としてありたい姿を研究者が自ら考え、それを実際にカタチにすることにチャレンジしている組織横断的なボトムアップ型組織活性化活動となる。研究所を何とか変えていきたい、そんな研究者の思いから、一部のエリアを研究者参加型 DIYで改装を実施したところ、その成果が認められ、「超石化プロジェクト」がスタートした。
 未来を創造するための共創の場としての拠点機能とは何か、研究者一人ひとりが誇りを持ちながら自分事として果敢に挑戦する文化を醸成・促進させるためには「どんな研究所にしたいのか?」について徹底的に議論し、2023年3月、エントランスエリアおよび食堂エリア改装というカタチで実現させた。また、改装に加え、コミュニケーションツールとなるオリジナルアイテム(エントランスに設置した展示台、ソファ、シンボルオブジェ)も企画・制作し、「自ら語れる研究所」へと変化させて行った。
 2023年4月からは第二期「超石化プロジェクト」チームが立ち上がり、ハード面のみならず、運用などのソフト面から議論を進めており、2024年3月には、日々の研究・実験課程で出てくる様々な廃材から、研究者の想いやストーリーを紡ぐ新しい切り口の展示「Trash to Treasure」(通称ゴミ展)を開催した。
 VISION HUB SODEGAURA は、同社グループのR&Dの中心拠点として、今後も進化を続けて行く。

表彰式全体写真

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