クレハの24年３月期連結決算は、売上収益が１７７９億７３００万円で前期比７・０％減、営業利益は１２８億円で同42・７％減、税引前利益は１３９億１３００万円で同39・５％減、親会社の所有者に帰属する当期利益は97億３４００万円で同42・３％減となった。機能製品事業のリチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上げが減少したことに加え、「その他の費用」で欧州における熱収縮多層フィルム事業撤退に伴うリストラクチャリング費用の計上、および中国におけるフッ化ビニリデン樹脂製造設備の増強計画中止に伴う固定資産の減損損失を計上したこと等により、前期比で減収減益となった。
セグメントのうち、機能製品事業は、売上収益が６４５億１０００万円で同22・０％減、営業利益は48億３７００万円で同52・３％減。機能樹脂分野では、ＰＰＳ樹脂およびシェールオイル・ガス掘削用途向けのＰＧＡ（ポリグリコール酸）樹脂加工品の売機能加工品の販売減少響き減収減益 クレハの24年３月期上げは増加したが、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂およびその他の樹脂加工品等の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少した。 炭素製品分野では、高温炉用断熱材の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加した。
樹脂製品事業は、売上収益が４７３億２８００万円で同１・１％増、営業利益は81億９４００万円で同４・８％減。コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「ＮＥＷクレラップ」およびフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに増加した。業務用食品包装材分野では、売上げ、営業利益はともに前年同期並みとなった。 その他の分野では、売上げ、営業利益はともに減少した。
25年３月期の連結業績予想は、売上収益が１７００億円で前期比４・５％減、営業利益が１４０億円で同９・４％増、税引前利益は１４０億円で同０・６％増、親会社の所有者に帰属する当期利益が１００億円で同２・７％増を見込んでいる。
