ダイセルが受賞 飯島藤十郎食品技術賞

2024年04月23日

ゴムタイムス社

 ダイセルは4月22日、機能性食品素材「ウロリチンA」の研究開発について、4月19日に2023年度飯島藤十郎食品技術賞を受賞したと発表した。
 飯島藤十郎記念食品科学振興財団は、食品科学等に関する研究等の推進を通じて、食生活・食文化の向上、健康の増進及び食品産業の発展に寄与することを目的としている。飯島藤十郎食品技術賞は、同財団が食品の技術開発において優れた業績をあげた研究者又は研究グループに授与するものとなる。
 受賞研究は、機能性腸内代謝物素材「ウロリチンA(ウロリッチ)」の開発、受賞者は、卯川裕一氏、中島賢則氏、工藤眞丈氏、沢田翔一氏、石輪俊典氏となる。
 ウロリチンAは、ザクロに含まれるエラグ酸の腸内代謝物の一つで、細胞の再活性化によりさまざまな健康効果を期待できる機能性食品素材となる。同社は発酵法による商業生産に世界で初めて成功した。
 エラグ酸からウロリチンAを生産するには、別の菌による2系統の発酵を進める必要があるが、同社はその菌を同定の上、複合的に培養する方法を編み出し、2021年5月より「ウロリッチ」として販売している。
 同社はウロリチンAの機能性評価をさまざまな大学と共同で行い、肌機能、抗アレルギー機能、破骨細胞の分化抑制機能などの研究成果について知的財産化を検討し、学会発表などの対外発表を行ってきた。血管内皮機能については、メカニズムの検討を細胞評価で進め、ヒトでの評価(FMDや毛細血管の評価)を実施し、日本栄養・食糧学会での学会発表および学術誌「薬理と治療」での論文発表(2021年および2023年)を行った。
 同社は今後もウロリチンAの機能性を解明し、細胞活性効果によるヘルスケアを提案する。また、ウロリチンAの製法開発で得られた効率的に腸内代謝物を製造する知見を新たな機能性食品素材の開発に生かしていく。

2023年度飯島藤十郎食品技術賞授与式

2023年度飯島藤十郎食品技術賞授与式

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