MIプラットフォーム日本導入 三洋貿易、素材開発力強化に貢献

2024年04月04日

ゴムタイムス社

 三洋貿易は、AIを搭載したマテリアルズ・インフォマティックス(MI)のクラウドプラットフォームを提供するPolymerize社(シンガポール)と24年3月に国内代理店契約を締結した。Polymerize社は化学業界や材料業界へ向けたマテリアルズ・インフォマティックス(MI)のクラウドプラットフォームを提供するグローバル企業。
 MIは、機械学習などの情報科学を用いて、有機材料、無機材料、金属材料など様々な材料開発の効率を高める取り組みで、AIなどデジタル技術の発展に伴い、膨大な実験や論文データを解析できるようになったことで注目されている。
 化学業界や材料業界の研究開発では、効率性向上や実験データの属人化が課題として挙げられているなか、同社が国内導入を目指すPolymerize社のMIプラットフォームは、実験データをクラウド上にアップロードして情報を管理できるシステムであり、クラウド上に情報をアップロードすることで、属人化していた情報の一元化が可能となる。
 また、多段階実験プロセスに対応したデータ管理機能及びAI予測機能で、物性予測や配合・工程予測を導き出す。さらに、新たな実験を行う際も、蓄積されたデータをベースにした機械学習モデルにより予測を行うことで実験におけるトライ&エラーの回数を減らし、開発期間の短期化や開発コストの削減が可能となっている。
 同プラットフォームの主な特徴としては、①開発フローのマネジメント(要件定義から最終製品の開発まで、すべての関連フローを管理することが可能)。②AIエンジン(新しい配合を用いた場合の特性を、実験をすることなく予測することが可能。また達成したい目標に応じた配合・製造条件を提案させることも可能。③共同作業が可能なプラットフォーム(プラットフォームを通じ、部門間、拠点間での情報、知識の共有をスムーズに行え、R&Dプロセスの効率化につながる。④新たな知見の創出(異なるサプライヤーの原料を使った場合の影響、加工条件を変更した場合何が起こるか、新しい配合を用いるとどうなるか、新しい特性は何になるのかなど、様々な価値ある知見を創出する)。

 同社ではPolymerize社のMIプラットフォームの提供を通じて、日本の素材産業の国際競争力の強化や研究・製造の効率化に貢献していく。

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