機能マテリアルは25%減益 東洋紡の4~12月期

2024年02月13日

ゴムタイムス社

 東洋紡の24年3月期第3四半期連結決算は、売上高が3073億2300万円で前年同期比2・9%増、営業利益は49億9200万円で同47・8%減、経常利益は23億9500万円で同65・5%減、四半期純利益は15億7300万円で同83・9%減となった。

 セグメントのうち、フィルム・機能マテリアルセグメントの売上高は1174億円で同6・7%増、営業利益は15億円で同25・3%減。包装用フィルムの需要の回復が遅れ増収減益となった。 包装用フィルムは原燃料価格高騰に対し製品価格の改定を進めたが、需要回復の遅れにより低調な荷動きが続いたことに加え、新機台立上げの費用が嵩んだ。 工業用フィルムは、液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」が強い需要に牽引され販売を伸ばした。セラミックコンデンサ用離型フィルムは、本格的な需要回復には至らず苦戦した。

 環境・機能材の売上高は862億円で同4・5%増、営業利益は30億円で同2・5%増。中国向け電子材料での需要回復遅れ、原燃料価格高騰の影響があったが、VOC回収装置、エンジニアリングプラスチックの販売が増加し、増収増益となった。 樹脂・ケミカル事業では、エンジニアリングプラスチックは、自動車生産台数の回復により販売を伸ばし、加えて製品価格の改定が進んだ。工業用接着剤「バイロン」は、中国向けの電子材料用途の販売が低調だった。 環境・ファイバー事業では、環境ソリューションは、リチウムイオン電池セパレータ製造工程で使用されるVOC回収装置、および交換エレメントが第3四半期に販売を大きく伸ばした。高機能ファイバーでは、「ザイロン」は建築補強用途、自転車タイヤ用途の需要が低調だった。不織布マテリアルは、衛材用途や土木・建築用途での販売減に加え、原燃料価格高騰の影響を受けた。

 通期予想については、直近に公表されている業績予想から修正し、売上高は4100億円(前回発表から据え置き)で前期比2・5%増、営業利益は80億円(前回発表100億円)で同20・5%減、経常利益は50億円(前回発表60億円)で同24・1%減、当期純利益は10億円(前回発表から据え置き)を見込んでいる。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー