エボニック、製造ライン新設 湿式シリカ製造能力増強

2024年02月06日

ゴムタイムス社

 エボニックは2月5日、米国チャールストンの湿式シリカの製造工場を拡張すると発表した。サウスカロライナ州の新ライン建設に投資することで、特に北米におけるタイヤ業界のシリカに対する高い需要に応える。これにより、シリカの現地調達が可能となり、同地域における同社パートナーのサプライチェーンを強化する。
 シリカは、低燃費タイヤ、歯磨き粉やコーティング剤といった製品の重要な原料。同社グループは、数十億円規模の資金を投じ、製造ラインを新設する。着工は2024年半ば、操業開始は2026年初頭を予定している。
 チャールストンの新ライン建設により、同社は同工場での湿式シリカの製造能力を50%増強する。さらに、湿式シリカULTRASILの製造に循環型原料を導入し、タイヤ業界のサステナビリティ目標の達成をサポートする。
 シリカは低燃費タイヤにおける重要な原料として、従来の乗用車用タイヤに比べ最大8%燃費を低減する。北米では、転がり抵抗を減らし低燃費を可能にするタイヤへの需要が高まりを見せている。
 過去数年間、同社は最新のシリカ製造設備への投資と、さらなる事業の強化のために世界規模で戦略的買収を継続的に行ってきた。チャールストンの工場は、現在、世界18ヵ所にある湿式シリカの製造拠点ネットワークの一部となっている。
 同社は、シリカの世界的なリーディングカンパニーで、湿式シリカULTRASIL、ZEODENTおよびSIPERNATに加え、フュームドシリカAEROSILなどの製品を世界中の様々な産業向けに製造している。

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