高機能プラ事業は減収増益 住友ベークライト4~12月

2024年02月06日

ゴムタイムス社

 住友ベークライトの24年3月期第3四半期決算の売上収益は2154億5400万円で前年同期比0・6%減、事業利益は206億5600万円で同1・7%増、営業利益は205億4000万円で同2・6%増、四半期利益は180億2900万円で同11・6%増となった。
 セグメント別では、半導体関連材料の売上収益623億4300万円で同1・3%増、事業利益は126億1200万円で同0・6%減。半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、半導体用途ではパソコン、スマートフォンなどの生産・販売が世界的に低迷していることから民生家電向けの販売は苦戦が続いている。ただ、モビリティー用途でEV比率の向上や中国国内での販売が増加したことから、販売数量・売上収益は前年同期を上回った。感光性ウェハーコート用液状樹脂は、今秋以降在庫調整局面入りし、売上収益は前年同期を下回った。半導体用ダイボンディングペーストは、台湾などの民生家電向けの販売不調により売上収益は前年同期を下回った。半導体パッケージ基板材料「LαZ」シリーズは、中国製スマートフォン向けの販売が順調に伸び、売上収益は前年同期を上回った。
 高機能プラスチックの売上収益は747億4500万円で同3・0%減、事業利益は76億5900万円で同2・7%増となった。工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料は、第3四半期に入りアジア地区での販売状況に改善がみらるが、北米での自動車タイヤ用および欧州での建築断熱材用で販売数量が低迷しており、売上収益は前年同期比で大幅に減少した。銅張積層板は、エアコン用、家電用の市況が低迷しており、売上収益は大幅に減少した。航空機内装部品は、アフターコロナの旅客輸送の増加にともない航空機生産が増加していることに加え、経営体質改善が進んだことから売上収益は大幅に増加した。フェノール樹脂成形品は、中国国内での自動車向けの拡販が順調に進んだことから売上収益は増加した。
 クオリティオブライフ関連製品の売上収益は778億4700万円で同0・4%増、事業利益は76億5900万円で同2・7%増。医療機器製品は、欧州向けの製品で在庫調整により販売数量は減少した一方、アジア・米国向けで血液関連製品が大幅に増加していることから売上収益は前年同期を上回った。バイオ関連製品は、国内企業向けで新型コロナウイルスによる特需が落ち着き、売上収益は減少した。ビニル樹脂シートおよび複合シートは、医薬品包装用がジェネリック医薬品の在庫拡充要請で好調を継続しているが、中国向けを中心に産業用フィルムの販売数量が減少し売上収益は前年同期比で減少した。ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、サングラス用偏光板や車載用ヘッドアップディスプレイなどの付加価値用途で販売数量を伸ばした一方、主力の国内建材用途の販売数量減が長期化しており、売上収益は前年同期比で減少した。アルミメラミン化粧板は鉄道車両内装で売上収益を順調に伸ばした。防水関連製品は、新築住宅メーカー向けを中心に好調に推移し、売上収益は増加した。
 24年3月期通期業績予想は前回公表から修正はなく、売上収益は2880億円で前期比1・1%増、事業利益は270億円で同6・1%増、当期利益は215億円で同6・0%増を見込んでいる。

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