年頭挨拶  塩ビ工業・環境協会 桒田守会長

2024年01月24日

ゴムタイムス社

 元旦に発生した能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。塩ビの生産と出荷については、前半低調に推移したものの、夏場以降に輸出が前年を超え、暦年で約150万トンを超えてくるレベルになる見込みです。一方、世界経済の不透明感が払拭される状況ではありません。日本経済も通年では年初想定よりは良好になると予想されますが、物価高による個人消費への影響やインバウンド需要の回復が一巡するなど年後半には減速感が出てきています。10月に公表された物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策をはじめ「成長と分配の好循環」のための施策が講じられています。また、先進的窓リノベ事業(断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業)の効果などが景気回復につながっていくことを期待します。
 同協会が注力した活動の内容と24年の方針について簡単に紹介します。まず、第一にわれわれを取り巻く大きな問題でありますプラスチックの規制に関する国連環境総会における「プラスチック汚染に関する条約策定に向けた政府間交渉委員会」について、日本としての対処方針に沿って政府及び関連業界団体と連携し、国内会議において意見陳述をするなど精力的に対応してまいりました。24年は条約策定に向けた動きがさらに活発化してくることが予想されることから、引き続き塩ビをはじめ多くのプラスチック製品が社会に対してプラスの便益をもたらしていることなど、その価値と重要性を関連業界団体とともに強調します。
 広報活動では、2023年は塩ビに対する誤った認識を払拭すべく、特に若年層への訴求強化を目的としてSNSを活用したタイアップ広告を実施しました。Page Viewは想定を超える状況で、狙いとした若年層、主婦層への情報発信は強まっています。今後この結果を踏まえてより効果的な活用方法を目指します。
 カーボンニュートラル社会においては、住宅、建築物の高断熱・高気密に貢献する樹脂窓の普及が不可欠です。樹脂窓の普及にあたっては、サーキュラー・エコノミーの観点からリサイクルの取り組みが喫緊の課題となります。当協会は樹脂窓のリサイクルシステムの構築に向けて一般社団法人日本サッシ協会、樹脂サッシ工業会と協力し、産学連携によるリサイクルシステムの社会実装に向けた環境づくりに取り組んでまいりました。この度、国内の取り組み指針としての「樹脂窓リサイクルビジョン」を策定し、上記各団体のHP上で公表するとともにマスコミへのリリースを実施しました。2月には本リサイクルビジョンの策定にご尽力いただきました東京大学の清家剛教授、武蔵野大学の磯部孝行講師ならびに三団体にて記者会見を行い、皆さまにご説明する予定でございます。近年、廃プラのケミカルリサイクルが本格的に社会実装される段階に入ってきました。ケミカルリサイクルは資源循環向上につながる重要な手法であり、今後、塩ビにおいても注目されてきます。24年は、このケミカルリサイクルを推進していくうえで、塩素循環検討会の取り組みをより一層強化します。
 世界の地政学的な緊張関係は、依然として予断を許さず、世界経済の先行きの不透明さも増しています。このような不安定な社会情勢の中においても、カーボンニュートラルや気候変動への取り組みは待ったなしの状況です。これらの課題解決にあたって塩ビ樹脂の優れた性能やマテリアルリサイクル性の高さを最大限に活かしていくことが、地球環境改善の一助につながるものと考えています。今後も塩ビの有用性や可能性について広く告知し、皆さまのご理解を頂けるような活動を鋭意進めて参る所存です。

 

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