年頭所感 一般社団法人日本化学工業協会 福田信夫会長

2024年01月11日

ゴムタイムス社

 1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」に際し、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症が5類に引き下げられたことにより、日常的に人々の行動が活発化していることや、インバウンド需要の効果もあってサービス業は堅調に回復してきております。一方、製造業においては、中国経済の低迷や物価高による需要減少が影響し、化学業界などの素材産業は回復が遅れており、一進一退という状況です。2024年は、今までの努力が実り成就して、景気全体が回復し、化学業界の業績も上向き、成長と結果につながる年になることを大いに期待しております。
 本年は化学業界にとって、グリーン・トランスフォーメーション、いわゆるGXや競争力強化に向けた取り組みをさらに加速させるために重要な一年だと考えています。昨年末に開催されたGX実行会議では投資支援策のイメージが詳しく示され、2024年度の税制改正大綱では、GX促進に資する製品の生産・販売量に応じて減税する制度の創設が決まりました。このほかにも国内研究開発で生まれた知財から生ずる所得に対して優遇しイノベーション創出を図る税制や、中堅企業に着目した税制などが新たに創設されたことより、日本の化学業界のGX推進と競争力強化、さらには日本経済の成長につながっていくことを期待しています。
 また、GXの推進には、環境に配慮した化学製品が社会から選ばれて購入されるGX市場の創出も重要です。弊協会では、LCAや国際標準化を通じて社会への認知促進を行い、GX市場創出を支援していく所存です。
 化学業界を取り巻く環境は、国際的にも変化しつつあります。昨年9月に開催された国際化学物質管理会議、ICCM5で「化学物質と廃棄物の健全な管理」に向け、SAICM(サイカム)の後継の戦略的枠組みとなる「Global Framework on Chemicals(GFC)」が採択され、化学品バリュー・チェーンの多くのステークホルダーと協調して、サステナブルな化学品開発を国際的に推進していく方針が示されました。
 さらに、2024年末のプラスチック汚染の終結に向けた新たな国際条約の合意に向け、政府間交渉委員会(INC)の議論も本格化してまいります。また、有機フッ素化合物(PFAS)に関しても、EUを中心に新たな規制案が検討されておりますので、弊協会では、引き続き、会員企業・団体の声を集約し、国際会議の場などで日本の化学産業の意見を積極的に発信してまいります。
 そして、化学産業の根幹は「安全」と「コンプライアンス」に他なりません。安全文化の醸成やコンプライアンスの徹底には、様々な施策を地道に継続し、着実に実施していくことが重要なため、今年もレスポンシブル・ケア活動の支援など事業基盤を支える取り組みを続けてまいります。
 今年一年の皆様のご隆盛とご発展を心から祈念いたしますとともに、弊協会の活動・運営にこれまでと変わらぬご理解・ご協力を賜りますことをお願い申し上げます。

福田信夫会長

福田信夫会長

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