クラレが適切な協働を目指す マルチステークホルダー方針発表

2023年12月01日

ゴムタイムス社

クラレは11月30日、マルチステークホルダー方針についての取り組みを発表した。
 同社は、企業経営において、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要となっていることを踏まえ、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組んでいく。
 その上で、価値協創や生産性向上によって生み出された収益・成果について、マルチステークホルダーへの適切な分配を行うことが、賃金引上げのモメンタムの維持や経済の持続的発展につながるという観点から、従業員への還元や取引先への配慮が重要であることを踏まえ、従業員への還元及び取引先への配慮への取り組みを進めていく。
 従業員への還元として、同社は、経営資源の成長分野への重点的な投入、従業員の能力開発やスキル向上などを通じて、持続的な成長と生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力する。その上で、生み出した収益・成果に基づいて、「賃金決定の大原則」に則り、同社の状況を踏まえた適切な方法による賃金の引上げを行うとともに、それ以外の総合的な処遇改善としても、従業員のエンゲージメント向上や更なる生産性の向上に資するよう、人材投資を中心に積極的に取り組むことを通じて、従業員への持続的な還元を目指す。
 具体的には、賃金の引上げについては、グローバルでの報酬制度・意思決定の指針となる「クラレグループ報酬基本原則」を2021年に制定し、各国の制度を見直してきた。日本国内においても、公平で競争力のある報酬制度を目指し、賃金・福利制度の総合的な見直しを進めていく。
 人材投資については、人材に関する基本的な考え方をまとめた「グローバル人事ポリシー」に基づいて、社員一人ひとりが仕事を通じて人間的に成長できるよう、多様性の推進、人材育成、公平・公正な評価などの制度を整えるとともに、健全な組織風土の醸成と雇用機会の創出に取り組んでいる。
 取引先への配慮としては、パートナーシップ構築宣言の内容遵守に、引き続き、取り組んでいく。パートナーシップ構築宣言の登録日は、2022年7月12日となる。
その他の取組については、同社は、企業ステートメントに掲げる「独創性の高い技術で産業の新領域を開拓し、自然環境と生活環境の向上に寄与する。―世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる―」を使命として、広範なステークホルダーに配慮した企業活動に取り組んでいく。
 これらの項目について、取組状況の確認を行いつつ、着実な取組を進めていく。

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