自動車用ベルトは回復基調 ベルト3社の4~9月期

2023年11月13日

ゴムタイムス社

ベルト3社の24年3月期第2四半期決算が出揃った。売上はバンドー化学とニッタが前年同期を上回った。利益面はニッタと三ツ星ベルトが減益となる一方、バンドー化学は増益となった。国内自動車生産は回復するなかで、自動車用ベルトは回復基調にある。一方、射出成形機や工作機械などの生産が落ち込む中、一般産業用ベルトは落ち込んだ。
 ◆バンドー化学
 売上収益が539億2700万円で前年同期比3・3%増、コア営業利益は37億5800万円で同3・0%増、営業利益は45億1500万円で同3・3%増、四半期利益は36億7100万円で同2・9%増となった。
 自動車部品事業の売上収益は262億7000万円で同9・5%増、セグメント利益は18億2000万円で同18・6%増。国内は自動車生産台数の回復で、補機駆動用伝動ベルトの販売が増加したが、補機駆動用伝動システム製品の販売が減少した。
 海外は中国で景気減速の影響は受けつつも、自動車生産台数は前年度を上回る状況で推移し、補機駆動用伝動ベルトなどの販売が増加した。
 欧米も補修市場向け製品の販売が増加した。アジア地域も四輪・二輪車メーカーの生産は回復傾向にあり、補機駆動用伝動ベルト、補機駆動用伝動システム製品およびスクーター用変速ベルトなどは増加した。
 産業資材事業の売上収益は185億1800万円で同0・4%減、セグメント利益は18億9600万円で同0・1%減。一般産業用伝動ベルトは、国内では民間設備投資の減少により産業機械用伝動ベルトの販売が減少した。海外は欧米で産業機械用伝動ベルトの販売が増加したが、中国・アジアで農業機械用伝動ベルトの販売が減少。運搬ベルトは、国内でコンベヤベルトおよび樹脂コンベヤベルトの販売が増加した。
 ◆ニッタ
 売上高は437億6500万円で同1・7%増、営業利益は25億2600万円で同11・7%減、経常利益は62億2100万円で同7・7%減、四半期純利益は50億1500万円で同6・6%減。上期業績について石切山社長は「第1四半期と状況に変化はない。増収となったのは、国内売上が比較的良かったことが大きかった」と説明した。
 セグメント別では、ベルトゴム製品事業の売上高は148億5100万円で同4・0%増、営業利益は16億6600万円で同9・4%減となった。ベルト製品では物流向けは国内が堅調で、リプレース案件を獲得できているが、海外はプログラムが延期となり低調だった。
 ◆三ツ星ベルト
 売上高が420億2800万円で同1・3%減、営業利益は41億3700万円で同10・0%減、経常利益は56億1100万円で同2・1%減、四半期純利益は35億9300万円で同8・3%減となった。
 国内ベルトは売上高が138億7700万円で同2・9%減、営業利益が39億5000万円で同16・4%減となった。
 自動車用ベルトは前期の半導体不足による減産からユーザーの生産が回復しており、前期を上回る傾向で推移し売上は増加した。一般産業用ベルトは金融端末向けの受注は好調だったが、射出成形機や工作機械など市場の落ち込みで売上は減少した。
 搬送ベルトは食品工場向け補修ベルトの販売は好調に推移したが、物流業界向けが低調で売上は減少した。
 海外ベルトは売上高が224億2400万円で同4・1%減、営業利益が13億5200万円で同43・7%減となった。
 自動車用ベルトは欧米での四輪車用の新規需要を獲得し、売上は増加した。また、アジアでも自動車メーカー組み込み向けが順調に推移し、売上は増加した。一般産業用ベルトは、アジア、中国および欧州での市況悪化で売上は減少した。また、OA機器用ベルトは、顧客の減産により売上は減少した。

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