イソプレンは減収・営業損失 クラレの1~9月期

2023年11月13日

ゴムタイムス社

 クラレの2023年12月期第3四半期連結決算は、売上高は5743億7400万円で前年同期比3・8%増、営業利益は617億200万円で同12・9%減、経常利益は577億5300万円で同17・6%減、四半期純利益は364億8700万円で同22・7%減となった。
 セグメント別では、ビニルアセテートの売上高は3027億8200万円で同6・0%増、営業利益は637億7300万円で同8・1%増となった。
 ポバール樹脂は、高付加価値品へのシフトを進めたものの、世界的な需要減退の影響を受けた。光学用ポバールフィルムは、液晶パネルの在庫調整が一巡し、出荷は順調に回復した。高機能中間膜は、PVBフィルムの建築用途で需要の減退が見られたものの、自動車向けは堅調に推移した。水溶性ポバールフィルムは、インフレによる買い控えなどの影響により、主に欧州で個包装洗剤向けの出荷が減少した。
 EVOH樹脂(エバール)は、自動車向けは堅調に推移したものの、食品包装用途は軟調に推移し、販売数量が減少した。
 イソプレンセグメントの売上高は468億3300万円で同3・9%減、営業損失は40億6600万円(前年同期は41億4500万円のの営業利益)となった。イソプレンケミカル、エラストマーは、昨年後半から続く需要減退に加え、競争激化の影響を受けた。耐熱性ポリアミド樹脂(ジェネスタ)は、自動車向けは回復基調にあるものの、電気・電子用途はデバイスの在庫調整の影響を受け、販売量が減少した。
 通期の連結業績予想は前回発表から修正し、売上高が7700億円で前期比1・8%増、営業利益が780億円で同10・5%減、経常利益が730億円で同13・2%減、純利益が450億円で同17・1%減を見込んでいる。

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