30%ガラス繊維強化のコポリマー SABIC、UL認証マーク取得

2023年08月23日

ゴムタイムス社

  SABICは8月22日、STAMAX30YH570樹脂が米国の認証機関アンダーライターズ・ラボラトリーズ(Underwriters Laboratories)からUL認証マークを取得したと発表した。
 30%ガラス繊維で強化されたこのコポリマーは、電動化・低炭素化の加速を目的に同社が推進するBLUEHEROイニシアチブの下で提供される主力製品であり、電気自動車(EV)のバッテリー・システムに使用される材料として熱的および機械的特性が認められ UL認証を取得した。市場から信頼される第三者機関による客観的かつ科学的な評価に基づくUL認証の取得は、同製品の耐火性能に関する高い信頼性をユーザーに示すことになる。
 EVバッテリーの大半は、使用可能期間では問題なく機能する。熱暴走による事故の発生頻度は極めて低いものの、安全性を重要視する自動車業界においては、万一バッテリー・パックから火災が発生した場合においても、EVバッテリー・システムの設計と性能によって火災の伝播を可能な限り遅らせ、搭乗者が車両から脱出するための時間を引き延ばすことに重点を置いている。
 重要な点は、エンクロージャーやカバー、トレイ、そしてバッテリー・セルを仕分けるサーマル・バリアなど、バッテリー・パックの構成部品に使用する防火材料を正しく選択し導入することにある。
 STAMAX 30YH570樹脂は、UL2596の「電池エンクロージャー材料の熱性能および機械性能の試験方法」に準拠した熱暴走試験において、250kPaのボックス内圧力および420℃のボックス内温度に耐えることが実証されている。この結果は、4mm厚のパネルを用いた3回の反復テストに基づいている。同社のこの素材は耐火性能による火災の抑制に加え、高剛性、高強度および加工容易性を特長としている。
 今回のUL認証取得は、すでにバッテリー・パックには使われなくなっているスチールなどの金属と比べ、熱可塑性樹脂が有する軽量化、コスト削減、機能統合の促進、電気絶縁性と断熱性の強化といった性能上のメリットを実証するとともに、BLUEHEROイニシアチブに基づく同社の継続的な進歩を示すものである。

サビックのポリマー樹脂が米国の認証機関アンダーライターズ・ラボラトリーズからユーエル認証マークを取得。

サビックのポリマー樹脂が米国の認証機関アンダーライターズ・ラボラトリーズからユーエル認証マークを取得。

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