川崎テクニカルセンター開設 ランクセスが7月に

2023年07月24日

ゴムタイムス社

 ランクセスは7月21日、本年7月、神奈川県の川崎サイエンスパーク(KSP)に川崎テクニカルセンターを開設したと発表した。
 同センターは、国内の顧客向けに質の高い技術サービスを提供することを目的に開設され、高度な試験能力を備え、包括的な微生物試験の提供を通して、パーソナルケア製品から工業用途まで幅広い業界に対応することが可能となる。
 川崎テクニカルセンターは、2022年の同社によるインターナショナル・フレーバーズ・アンド・フレグランス社(IFF)の微生物制御事業の買収に伴う移転を機に新たに開設した。
 同社日本法人代表取締役社長のジャック・ペレズ氏は、「川崎テクニカルセンターの開設は、当社の統合プロセスが成功裏に進んでいること、そして日本市場への揺るぎないコミットメントの証。私たちは長期的なパートナーとして、大切なお客様の成長と成功を促進する製品及び技術サービスを提供していく」と述べている。
 同社は、買収した事業を物質保護剤ビジネスユニットに統合することで、微生物制御製品の世界的なリーディングサプライヤーの一社となった。
 同社は、物質保護、防腐剤、殺菌剤向けの抗菌活性成分および製剤のポートフォリオを拡充することで、世界的なプレゼンスを強化し、同分野における確固たる基盤を構築した。
 同社日本法人物質保護剤ビジネスユニット日本統括マネージャーの金指なお美氏は、「川崎テクニカルセンターの開設は、国内のお客様に質の高い技術サービスを提供し、新たなビジネスチャンスを創出するという当社の使命において、重要なマイルストーンとなる。この最先端の施設は、物質保護における革新的なソリューションを提供するという当社の方針を示すもの」と述べている。
 川崎テクニカルセンターは、汚染したサンプルからの微生物の単離、最小発育阻止濃度(MIC)および最小殺菌濃度(MBC)の測定、殺菌速度(SOK)評価、チャレンジテスト、除菌試験、プラスチックやその他の非多孔質材料(JISZ2801/ISO22196)および繊維製品(JISL1902/ISO20743)の抗菌性試験などの生物学的評価を含む各種標準に準拠した包括的な抗菌性試験を提供する。
 さらに、工場衛生評価の実施も可能となる。
 同社は、既存の事業と買収により統合した事業を組み合わせることで、バイオサイド製品の有効成分から強力な製剤まで、幅広い製品ポートフォリオを実現し、マイクロビアルコントロール(微生物制御)に対する強固な技術基盤を構築した。
 これにより、同社は、顧客の用途に応じたソリューションを提供し、バリューチェーンを強化する。
 同社の物質保護剤ビジネスユニットは、多くの産業や用途向けに、細菌、酵母、カビ、ウイルス、藻類などの微生物による腐敗から材料や物質を保護する有効成分、防腐剤、殺菌剤の幅広い製品を提供している。
 同ビジネスユニットは、バイオサイド製品の大手サプライヤー及びサービスプロバイダーで、長年にわたり培った技術、微生物学的及び規制に関する専門知識を、グローバルに展開する研究開発拠点と共に提供している。
 また、物質保護剤ビジネスユニットは、高品質の個別かつ持続可能で柔軟なソリューションを提供することに誇りをもっている。
 同社は、製品や原料に必要な現地登録や認可を取得しており、複雑な規制手続きへの準拠にも対応している。
 同社は、世界3ヵ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカー。2022年の総売上は81億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約1万3200人、主な事業は、中間体、添加剤、コンシューマープロテクション製品の開発、製造とマーケティングとなる。
 同社は、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSIWorld)、ヨーロッパ・インデックス(DJSIEurope)および「FTSE4Good」の構成銘柄となる。

ランクセス川崎テクニカルセンター開所式の様子。物質保護剤ビジネスユニット アジア太平洋地域代表と日本チーム及びランクセス日本法人社長が同席

ランクセス川崎テクニカルセンター開所式の様子。物質保護剤ビジネスユニット アジア太平洋地域代表と日本チーム及びランクセス日本法人社長が同席

ランクセス川崎テクニカルセンターでのラボツアーの様子

ランクセス川崎テクニカルセンターでのラボツアーの様子

ランクセス川崎テクニカルセンターのラボ装置。安全キャビネット(左)クリーンベンチ(右)

ランクセス川崎テクニカルセンターのラボ装置。安全キャビネット(左)クリーンベンチ(右)

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