水道向け次亜の生産能力増強 レゾナックが川崎事業所で

2023年06月30日

ゴムタイムス社

 レゾナックは6月29日、神奈川県川崎市の川崎事業所において水道向け次亜塩素酸ソーダ(次亜)の生産能力を増強すると発表した。
 同社ソーダ電解事業の主力製品である次亜は、上下水道をはじめとした水処理の殺菌・消毒等で主に使用している。
 水道水は人々の生活基盤を支える重要なインフラであり、同社は必要不可欠な製品供給で支えている。
 水道向け次亜のメインサプライヤーである同社は、長年にわたり関東圏全般へ安定的に供給することで、自治体の水道サービスをサポートしてきた。
 かつて、水道の殺菌・消毒では液化塩素が使われていましたが、多くの自治体では次亜に切り替えが完了している。また、水道法の規制強化に伴い、臭素酸や塩素酸の低減化が重要視され、より次亜の品質向上が求められるようになった。
 今回、関東圏の自治体で、「液体塩素から次亜への切り替え」「品質の観点から自製次亜から市販次亜の切り替えによる新たな使用」が計画されている。
 この需要拡大に対応するために、同社は次亜の生産能力増強を決定した。増強時期は2024年末を計画しており、生産能力は現行比30%以上引き上げの予定となる。次亜需要は今後も持続する見込みであり、同社はこの需要拡大を支えていく。
 持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、SDGs)では、水に関する目標「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」が設定されている。
 日本では水道の蛇口をひねれば当たり前に飲める水ですが、国土交通省によれば世界で水道水をそのまま飲める国は日本を含めて9ヵ国しかなく、そのまま飲めるが注意が必要な国は21ヵ国しかない。
 今回の生産能力増強により、ライフラインを支える製品である次亜のさらなる安定供給体制を構築し、多くの方々が安全な水をいつでも安心して利用できるサステナブルな社会へ貢献しつづける。
 同社グループは、半導体・電子材料、モビリティ、イノベーション材料、ケミカル等を展開し、川中から川下まで幅広い素材・先端材料テクノロジーを持つ化学会社。2023年1月に昭和電工グループと昭和電工マテリアルズグループ(旧日立化成グループ)が統合し、新たなスタートを切った。新社名の「Resonac」は、英語の「RESONATE、共鳴する・響き渡る」と、Chemistryの「C」を組み合せて生まれた。
 同社は「共創型化学会社」として、共創を通じて持続的な成長と企業価値の向上を目指している。2022年度の売上高は約1兆4000億円、うち海外売上高が56%を占め、世界22の国や地域にある製造・販売拠点でグローバルに事業を展開している。

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