カネカのグループ会社が共同で 豊岡地域エネルギーサービス設立

2023年06月05日

ゴムタイムス社

 カネカは6月1日、同社のグループ会社であるカネカソーラー販売が、伊藤忠商事と豊岡地域エネルギーサービス(特別目的会社)を設立し、2023年度より豊岡中核工業団地において、地域マイクログリッド事業(MG事業)に太陽光発電事業、蓄電所事業を組み合わせた複合的な電力サービス事業を行うと発表した。
 同MG事業では、災害等で電力供給が停止した際の対策を目的として、豊岡中核工業団地を周囲の配電網から切り離し、独立した電力の自給自足を行っていく。その際、協賛各社の建物の屋根に設置する太陽光発電設備で得られる電力と工業団地内に設置する蓄電池設備を活用することで、工業団地内の各企業や市指定避難場所等へエネルギーの安定供給が可能となる。
 平常時は、太陽光発電設備で発電した電力を当該建物に供給するオンサイトPPA事業を展開するとともに、発電電力に余剰が発生する場合は工業団地内に販売することで再生可能エネルギーの地産地消を実現する。
 また蓄電池設備を活用し、蓄電した電気を取り引きする蓄電所事業を行うことで地域の電力供給の安定化にも貢献する。これら一連の事業を組み合わせることで、MG事業の経済性を確保しつつ、豊岡市の災害対策、地域電力供給安定化への貢献、再生可能エネルギー普及促進と約1年当たり1120tのCO2排出量削減を行うことができる。
 同事業では、経済産業省の「令和4年度 地域共生型再生可能エネルギー等普及促進事業費補助金」を活用して、本年3月に2・2MWの太陽光発電設備と6MWhの蓄電池設備を導入している。
 同件は、特別目的会社が中心となり、豊岡市、同社、伊藤忠商事、関西電力送配電、関西電力、アイ・グリッド・ソリューションズ、豊岡中核工業団地の協賛各社が連携して推進する。
 同社は、先進性の高い同事業の実証を通して技術を深め、更に脱炭素に取り組む自治体や企業との連携を進めて適用拡大を図るとともに、太陽電池や断熱材をはじめとする同社の環境配慮製品を用いたトータルエネルギーソリューションで地域社会に貢献していく。

豊岡中核工業団地内に設置した太陽光発電設備

豊岡中核工業団地内に設置した太陽光発電設備

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