デンカ、TM社と調印 低炭素アセチレンチェーン確立へ

2023年05月25日

ゴムタイムス社

 デンカは5月25日、アセチレン製造における低炭素化を実現するための技術確立を目的として、米国のベンチャー企業であるTransform Materials(以下、TM社)との共同研究およびTM社が展開する設備の導入を決定し、5月23日に調印式を実施したことを発表した。
 同社は2023年度よりスタートした8ヵ年の経営計画「Mission2030」において、スペシャリティ、メガトレンド、サステナビリティの3要素をそなえた「3つ星事業」を100%にすることを目指している。また、非財務KPIの一つとして、2030年のCO2排出量60%削減(2013年度比)を掲げており、低炭素アセチレンチェーンの確立を含むポートフォリオ変革を進めている。
 今回、契約を締結したTM社は、マイクロ波プラズマを利用したメタン(炭化水素)からのアセチレン・水素製造技術を保有する米国のベンチャー企業。TM社が保有する技術は、カーバイドを原料とする既存のアセチレンチェーンから製造されるクロロプレンゴムやアセチレンブラックといった同社主力製品のCO2排出量低減に寄与するだけでなく、副生する水素を活用することで、カーボンニュートラルに貢献する新たな取り組みを創出し得る可能性を持っていることから、本契約締結に至った。同社は、この技術にもとづくアセチレン・水素の製造設備を同社の大牟田工場(福岡県大牟田市)に導入し、本技術の実証とアセチレンの大型量産の実現に向けた技術改良に取り組んでいく。
 なお、同社は、2030年までの8年間合計で850億円の環境投資を計画している。国内外問わず、サステナビリティに関するさまざまな取り組みを、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて推し進めていく。
 同社はこれからも、「化学の力で世界をよりよくするスペシャリストになる」というパーパスのもと、世界に誇れる化学で、人々の暮らしと社会に貢献し続けていく。

調印式の様子

調印式の様子

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