フィルム・機能マテリアルは減収減益 東洋紡の23年3月期

2023年05月23日

ゴムタイムス社

 東洋紡の23年3月期連結決算は、売上高が3999億2100万円で前期比6・4%増、営業利益は100億6300万円で同64・6%減、経常利益は65億9000万円で同71・5%減、当期純損失は6億5500万円(前年同期は128億6500万円の利益)となった。
 セグメントのうち、フィルム・機能マテリアルの売上高は1700億円で同0・2%減、営業利益は46億円で同76・7%減となった。製品価格改定を進めたが、原燃料価格高騰と需要減退の影響が大きく、減収減益となった。フィルム事業では、包装用フィルムは、原燃料価格高騰に対し製品価格の改定が追いつかず、さらに、年度後半には荷動きが鈍化した。工業用フィルムは、原燃料価格高騰に加えて、セラミックコンデンサ用離型フィルムなどの需要減退の影響を受けた。機能マテリアル事業では、工業用接着剤「バイロン」は、中国のゼロコロナ政策の影響を受けて、販売が減少した。
 モビリティの売上高は493億円で同10・3%増、営業損失は45億円(前年同期は18億円の損失)となった。製品価格改定を進めたが、原燃料価格高騰の影響が大きく、増収ながら営業損失が拡大した。エンジニアリングプラスチックは、国内では、原燃料価格高騰に対し製品価格の改定が追いつかなかった。海外では、製品価格改定を進めたが、原料価格・物流費の高騰、海外での加工費増加の影響を受けた。エアバッグ用基布は、製品価格の改定を進めましたが、原糸などの原料購入価格の上昇により、収益性の改善に至らなかった。
 24年3月期の連結業績予想については、売上高は4300億円で前期比7・5%増、営業利益は150億円で同49・1%増、経常利益は110億円で同66・9%増、当期純利益は40億円(前年同期は6億5500万円の損失)を見込んでいる。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー