自動車と半導体産業好調で増収増益 信越ポリマーの23年3月期

2023年05月02日

ゴムタイムス社

 信越ポリマーの2023年3月期連結決算は、売上高は1082億7800万円で前年同期比16・9%増、営業利益は127億4900万円で同31・0%増、経常利益は129億8600万円で同28・2%増、当期純利益は85億2900万円で同35・2%増となった。自動車関連産業の需要が上向き半導体産業の高水準な需要が続いたことで全体として好調に推移した。

 電子デバイス事業の売上高は246億8400万円で同12・2%増、営業利益は16億9400万円で同42・8%増。同事業では、自動車産業の需要回復により、入力デバイスを中心に出荷が好調に推移し全体として売上げは前年を大幅に上回った。入力デバイスは主力の自動車向けキースイッチの出荷が回復し、薄型ノートパソコン用タッチパッドの出荷も好調に推移したことから全体として売上げは増加した。ディスプレイ関連デバイスは、液晶接続用コネクターの出荷は伸び悩んだが、視野範囲/光路制御フィルム(VCF)の出荷が伸び、全体として売上げは前年並みにとどまった。コンポーネント関連製品は、電子部品検査用コネクター及び自動車用ワイパーの出荷が順調に推移して売上げは大幅に増加した。
 精密成形品事業の売上高は500億2100万円で同18・7%増、営業利益は98億6700万円で同28・8%増。同事業では、半導体関連容器やキャリアテープ関連製品の順調な出荷が続き、全体として売上げは前年を大幅に上回った。半導体関連容器は、半導体産業の旺盛な需要を背景に300mmウエハー用出荷容器などの出荷が好調に推移し、売上げを大幅に伸ばした。OA機器用部品は、主力のレーザープリンター用ローラの出荷が回復し、売上げは増加した。キャリアテープ関連製品は、微細電子部品用の出荷が伸び悩み、売上げは低調に推移した。シリコーンゴム成形品は、ウィズコロナで医療が通常に戻り主力のメディカル関連製品の出荷が増加し、全体として順調に売上げを伸ばした。

 2024年3月期の連結業績予想は、売上高は1110億円で同2・5%増、営業利益は130億円で同2・0%増、経常利益は130億円で同0・1%増、当期純利益は90億円で同5・5%増を見込んでいる。

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