RSPO認証取得 三洋化成がパーム油で

2023年03月10日

ゴムタイムス社

 三洋化成工業は3月8日、持続可能な原料調達の取り組みとして、2023年1月に「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」の認証を取得したと発表した。
 アブラヤシの果肉から得られるパーム油は、世界で最も多く生産・使用している植物油脂。大規模なアブラヤシ農園開発が行われた国では、環境破壊や農園での劣悪な労働環境による人権侵害などの深刻な問題が指摘されていた。RSPO認証は、これらの問題を解決し、生物多様性や森林保全に配慮した持続可能なパーム油の生産・利用を目指すために設けられた国際的な認証制度となる。
 同社は2013年にRSPOへ加入し、持続可能なパーム油由来原料調達のための準備を進めてきた。世界的に認証制度が広がり認証パーム油の調達ができるようになってきたことから、この度、同社、東京支社および国内の自社工場(名古屋工場、鹿島工場、京都工場、衣浦工場)においてマスバランス方式でRSPO認証を取得した。
 特に香粧品分野での認証パーム油使用の必要性が増してきていることから、同社の一部の香粧品用界面活性剤について2023年4月からRSPO認証パーム油由来原料を調達・使用し、RSPO認証表示を開始する。
 今後 RSPO認証パーム油の利用を拡大し、持続可能な原料の調達と供給体制の整備を推進していく。
 同社は、2009年に生物多様性に取り組むことを盛り込んだ CSRガイドラインを制定し、2013年には、研究開発、調達活動、生産活動において生物多様性に配慮して取り組むこと、従業員の生物多様性保全の意識を向上させること、地域社会と連携した生物多様性の取り組みを行うことを盛り込んだ「生物多様性に関する活動方針」を定め、これに沿った活動を行っている。
 RSPO認証パーム油由来原料など持続可能な原料の調達だけでなく、環境負荷低減や環境対応製品群の開発・提供により、持続可能な社会の実現に貢献していく。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー