カーボンブラックは4割増益 東海カーボンの22年12月期

2023年02月14日

ゴムタイムス社

 東海カーボンの2022年12月期連結決算は、売上高は3403億7100万円で前年同期比31・5%増、営業利益は405億8800万円で同64・7%増、経常利益は425億2100万円で同71・7%増、当期純利益は224億1800万円で同39・2%増となった。
 カーボンブラック事業の売上高は1384億8400万円で同39・2%増、営業利益は122億8200万円で同39・8%増となった。長期化する半導体不足の影響で自動車生産の回復は遅れているが、補修用タイヤについては、北米のトラックバス用を中心に需要が旺盛で、カーボンブラック需要も堅調に推移した。中国拠点売却により販売数量は前年同期比で減少したものの、原料油価格上昇分の価格転嫁も進み増収増益となった。
 ファインカーボン事業の売上高は493億9300万円で同26・2%増、営業利益は148億2500万円で同54・3%増となった。半導体市場は、スマートフォンやパソコンの需要低下に、米国の対中政策による影響もあり、製造装置用部品の一部に減速が見られる。一方で、SiC(シリコンカーバイド)半導体などのパワー半導体業界向けの需要は着実に増加しており、同セグメントの黒鉛及びSiC需要は総じて堅調に推移、増産効果も現出し、増収増益となった 。
 スメルティング&ライニング事業の売上高は652億300万円で同31・2%増、営業利益は13億4500万円で同30・1%減。エネルギー価格高騰による欧州製錬所の操業停止・減産を、他地域の製錬所が補完した結果、アルミ電解炉用カソードの販売は好調となり、炭素電極も、堅調な金属シリコン需要を背景に好調を維持した。原材料調達難やコスト上昇等、ウクライナ危機のインパクトは、上記市況のプラス材料を遥かに上回ったが、売価引き上げや増産増販等により、採算維持に努めた。
 2023年12月期通期の連結見通しは、売上高4100億円で同20・5%増、営業利益は450億円で同10・9%増、経常利益450億円で同5・8%増、当期純利益は260億円で同16・0%増を見込んでいる。

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