住友理工が社会実装目指し参画 細胞農業プラットフォームに

2023年02月02日

ゴムタイムス社

 住友理工は1月31日、インテグリカルチャーが主宰する細胞農業オープンイノベーションプラットフォーム「CulNet(カルネット) コンソーシアム」に参画したと発表した。
 2050年代には世界人口が100億人に達すると予測され、エネルギー・飼料・土地・水などの枯渇による食料不足が懸念される中、代替タンパク源の一つとして培養肉などを作る「細胞農業」が注目をされている。インテグリカルチャーは細胞農業の代表的なスタートアップで、 動物の体内を模倣した革新的な低コスト細胞培養技術「CulNetシステム」を独自開発し、動物由来細胞で構成する培養フォアグラや化粧品、素材、皮革など幅広い産業への展開を進めている。
 本コンソーシアムは、培養液や装置など各領域の企業が参画してハードウェアや消耗品を開発し、細胞農業の標準サプライチェーン構築を目的として、2021年4月に設立した。
同社は、コアコンピタンスである「高分子材料技術」をベースに、クリーン環境での精密成形や薄膜積層技術を生かしたデバイス開発を行い、細胞農業の製造プロセス構築と社会実装への貢献を目指す。
 また、参画企業との連携や強みの掛け合わせによってスピーディに新技術を創出するとともに、原材料を自在に配合し、必要な機能を持たせたゴム・樹脂材料を生み出す「素材力」を生かしたソリューションを提案する。
 同社グループは、「人・社会・地球の安全・快適・環境に貢献する企業」を目指すべき企業 像に掲げ、サステナビリティ経営を進めている。さらに、「価値を共創する仲間づくり」を スローガンにスタートアップや大学と連携したオープンイノベーションを推進している。本コンソーシアムへの参画を通じて、社会課題解決の手段として成長に期待されるバイオ領域・ フードテック領域にも注力し、サステナブルな社会づくりに貢献していく。
 インテグリカルチャーでは、独自開発の新たな細胞培養技術「CulNetシステム」を、食品・素材・皮革などを作るバイオ資源生産技術のプラットフォームとして開発し、様々な分野での活用を目指している。 カルネットシステムは、動物体内の臓器間相互作用を模した環境を擬似的に構築する装置となる。本技術は、動物細胞を大規模かつ安価に培養可能で、培養肉を始めとする様々な用途での活用に関する研究を進めており、培養肉の高コストの大きな要因である成長因子(血清様成分)の内製化は既に実現している。高価な成長因子の投入が不要になったため、培養肉生産コストの大幅な節減が可能となり、現在は培養フォアグラの社会実装に向けた取り組みを加速していく。

住友理工、インテグリカルチャーロゴ

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コンソーシアム内容

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細胞農業プラットフォーム

細胞農業プラットフォーム

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