信越化学、業界初開発 シリコーン皮膜エマルジョン

2022年10月24日

ゴムタイムス社

 信越化学工業は10月14日、繊維処理用途向けに業界初のシリコーン皮膜形成エマルジョンを開発したと発表した。新製品のシリコーン皮膜形成エマルジョンは、従来のシリコーン皮膜形成エマルジョンではできなかった不要な低分子シロキサンを低減した低VOCのエマルジョン。従来品のアニオン(陰イオン)性シリコーン皮膜形成エマルジョンでは、カチオン(陽イオン)性の成分に皮膜形成機能を付与できなかった。新製品はカチオン性のため、イオン性が同じカチオン性の成分に皮膜形成機能を付与できる。
 繊維処理工程ではカチオン性の薬剤を併用することも多いため、イオン性が同じ新製品を使用することで処理槽での安定性が良好になり、作業性の向上につながる。また、従来品と比べて、繊維への付着性に優れている点も特徴として挙げられる。
 さらに、スズなどの金属系の硬化触媒を添加する必要がなく、乾燥させるだけでシリコーンの皮膜を形成。このため、環境や安全に配慮している点も特徴の一つとなっている。
 用途としては、主な用途である繊維処理用に加え、抗菌剤などの薬剤のバインダー、樹脂成形物のトップコート剤などに使用される。新製品はいずれの用途にも適しており、同社はそれぞれの用途先の顧客に提案していく計画だ。

中間の皮膜(伸ばし)

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