エボニックが戦略的提携 タイヤメーカーにシリカ供給

2022年10月03日

ゴムタイムス社

 エボニック インダストリーズは9月28日、ペルナーグループ(オーストリア)、ピチット・バイオパワー社(タイ)と戦略的提携を結び、バイオベース原料シリカ「ULTRASIL(ウルトラジル)」をタイヤメーカーに供給すると発表した。

 新製品の鍵となる原料のケイ酸ナトリウムは、農業副産物であり、グリーンエネルギーで得られるもみ殻灰(RHA)から製造される。

 シリカは、低燃費タイヤにおける重要な原料として、従来の乗用車用タイヤに比べ最大8%燃費を低減する。タイヤ業界における持続可能な原料の需要は、大幅に拡大している。次世代ウルトラジルは、バイオベースのケイ酸ナトリウムを原料とし、グリーンエネルギーで生産されるため、当該製品のカーボンフットプリントは大幅に削減される。

 持続可能な方法でのタイヤ生産に対するニーズは急増しており、同提携は再生可能原料を促進したいタイヤ業界の野心的な目標に対応するためのものとなる。ペルナーグループが開発したもみ殻灰からケイ酸ナトリウムを生成する先駆的なプロセスでは、バイオマスエネルギーが使用される。このため、従来品のシリカと比較して最大30%のCO2排出量の削減が可能になる。

 ピチット・バイオパワー社は精米施設とバイオマス発電所を既に有しており、ペルナーグループから技術ライセンスを受け、タイでもみ殻灰ケイ酸ナトリウムの新工場に投資する。これにより同社は、バイオベースケイ酸ナトリウムの安定的な供給を確保することができ、バイオベース原料シリカに対する世界的なタイヤ業界の需要を満たすことができる。

 同社シリカ事業部の責任者を務めるエマニュエル・アウアー氏は、「この提携は、当社の製品ポートフォリオをさらに拡充するにあたり、戦略的に重要な第一歩となる。持続可能性が向上したウルトラジルを初めて提供することで、お客様のカーボンニュートラルの実現と資源循環の目標達成をサポートすることができる。継続的に世界需要に応えるため、グローバル生産ネットワークの他の拠点においても、再生可能エネルギーの拡大を計画している」と述べている。

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