ダイセルの提案事業が採択 広島県公募の海洋プラ対策に

2022年09月12日

ゴムタイムス社

 ダイセルは8月29日、広島県が公募した「令和4年度海洋プラスチック対策(プラスチック使用量削減等)・リーディングプロジェクト支援補助金」に「バイオマスかつ海洋生分解性を有する酢酸セルロース樹脂の普及促進及び、カキ養殖用パイプへの再利用検討事業」を提案し、採択されたと発表した。

 2020年7月にレジ袋有料化、2022年4月にプラスチック資源循環推進法(新プラ法)が施行されるなど、海洋プラスチックごみ問題や気候変動問題などへの対応として、プラスチック製品使用の合理化についての必要性が高まっている。

 特に広島県においては、瀬戸内海における海洋プラスチックごみ削減を目指して官民連携組織「GREEN SEA 瀬戸内ひろしま・プラットフォーム(GSHIP)」が設立され、県民及び事業者が協働した実効的な対策に取り組んでいる。同支援補助金は、GSHIPと連携し、ワンウェイ(使い捨て)プラスチックの削減、プラスチック代替素材の利用促進、プラスチック資源の3R(リデュース・リユース・リサイクル)およびリニューアブルの拡大・高度化等を推進する事業に交付されるもので、同社は酢酸セルロース樹脂の利用普及を通じてこの社会課題の解決に取り組んでいく。

 酢酸セルロースは、木材パルプなどの植物由来の「セルロース」と食酢の主成分である「酢酸」を原料として製造されるバイオマス素材で、最終的に水と二酸化炭素に生分解し、自然界へと循環される。酢酸セルロースから作られるプラスチック(樹脂)は、バイオマスかつ生分解性を有する点で、環境汚染が問題視される石油系プラスチックに代替する素材として注目を集めている。

 今後、同社グループは、循環型社会の構築に向けてパートナー企業や自治体と協力し、リサイクル性、海洋生分解性など環境にやさしい様々な機能を有する酢酸セルロース樹脂の普及促進に努め、海洋ごみをはじめとする環境問題に積極的な解決策を提案していくとしている。

 

酢酸セルロース

酢酸セルロース

酢酸セルロース樹脂を活用

酢酸セルロース樹脂を活用

関連キーワード: ··

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー