三井化学、日本製紙と連携開始 バイオコンポジット開発で

2022年09月12日

ゴムタイムス社

 三井化学は9月8日、日本製紙及び同社が、木質バイオマス素材である「セルロースパウダー」を高配合した新規バイオコンポジットの開発について連携を開始すると発表した。今後は、日用品、容器、建材、家電製品、自動車部材など、幅広い分野への展開を目指し、製品開発と早期の市場投入を計画している。

 両社は、長年に渡り培った高度な原材料製造・開発技術を用い、両社の安定した材料供給体制を活用し、品質・供給の両面から工業的に安定性の高い新規バイオコンポジットの提供を目指す。

 新規バイオコンポジットとは、木質バイオマス素材である「セルロースパウダー」を主原料とし、樹脂と同様の成形性を付与した複合素材を指す。木質バイオマスを主原料とするため、通常の石油化学樹脂に比べて化石燃料由来のバージン材の使用量を削減することができ、温室効果ガスの排出量削減に寄与することができる。脱炭素社会の実現に向けた新しい材料となっている。

 日本製紙は、これまで培ってきたセルロースパウダー製造技術を活用し、成形性に優れたバイオコンポジットを開発してきた。今後、日本製紙は、多様なパルプ製造技術に裏打ちされたセルロースパウダー製造技術を基礎に、安定した高品質なセルロースパウダーを同社に提供する。日本製紙は「木とともに未来を拓く」をスローガンに掲げ、これからも人々の豊かな暮らしと文化の発展に貢献していくとしている。

 同社は、日本製紙から提供されるセルロースパウダーと、同社グループが培ったコンパウンド技術を組み合わせ、セルロースパウダーを高配合しつつも、強度や加工性に優れた新規バイオコンポジットの開発を目指す。また、従来の自社コンパウンド樹脂の販売ネットワークを利用して、顧客へのサンプルワークを進めていく。同社は、2050年カーボンニュートラル実現を目標に掲げ、加速する環境変化の中で生まれる様々な社会課題に対し、その解決に向けて取り組んでいくとしている。

 

セルロースパウダー

セルロースパウダー

新規バイオコンポジット

新規バイオコンポジット

 

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