高分子事業は増収減益 ユニチカの4~6月期

2022年08月18日

ゴムタイムス社

 ユニチカの2023年3月期第1四半期決算は、売上高は295億9900万円で前年同期比5・5%増、営業利益は9億8700万円で同53・2%減、経常利益は28億600万円で同57・5%増となり、四半期純利益は20億4000万円で同62・0%増となった。

 高分子事業の売上高は130億8900万円で同4・7%増、営業利益は13億5600万円で同38・3%減となった、フィルム事業では、包装分野、工業分野ともに需要は底堅く推移し、包装分野においてはバリアナイロンフィルム「エンブレムHG」などの高付加価値品および、環境配慮型のケミカルリサイクルナイロンフィルムの販売が伸長し、工業分野においてはシリコーンフリー離型ポリエステルフィルム「ユニピール」などの高付加価値品の販売が伸長するなど、全体的に販売は好調だったが、原燃料価格の影響が大きく事業全体では増収減益となった。樹脂事業では、原燃料価格上昇による影響に加え、自動車業界におけるサプライチェーンの混乱、ロックダウンに伴う中国向け輸出減少の影響を受けた。価格改定にも取り組み原燃料高による影響の最小化に努めたが、効果は限定的であり事業全体では増収減益となった。

 機能資材事業の売上高は89億3700万円で同5・8%増、営業利益は1億4200万円で同73・5%増となった。、活性炭繊維事業では自動車向け用途の販売は中国のロックダウンと減産影響を受けたが、主力の浄水器用途は好調だった。ガラス繊維事業では、産業資材分野は不燃テント等の建築土木用途の販売が回復した。電子材料分野のICクロスは超薄物や低熱膨張タイプなどの高付加価値品を中心に販売を伸ばした。ガラスビーズ事業では、道路用途、反射材用途の販売は不調に終わった。工業用途の販売は堅調だったがエネルギー価格高騰の影響を大きく受けた。不織布事業では国内のスキンケア用途は外出自粛などの影響からの回復が遅れて昨年に続き苦戦した。自動車用途の販売は、生産台数減少により苦戦した。農業・建築用途においては販売が一部回復したが、原燃料高騰の影響を大きく受けた。産業繊維事業では建築土木用途において販売が回復し、高付加価値品であるナイロン中空糸膜の販売は堅調だったが、自動車用途の販売が伸び悩んだ。

 通期の連結業績予想は前回と変わらず、売上高は1260億円で前期比9・8%増、営業利益は55億円で同8・4%減、経常利益は33億円で同48・4%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は15億円で同32・5%減を見込んでいる。

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