フィルム型太陽電池を設置 積水化学、JR西日本の新駅に

2022年08月04日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は8月3日、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)が開業を目指す「うめきた(大阪)駅」に、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を提供、設置することが決定したと発表した。

 フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を用いた次世代太陽電池で、軽量で柔軟という特徴を持ち、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは車体などの曲面といった、さまざまな場所に設置が可能となっている。また、塗布などによる連続生産が可能であること、レアメタルを必要としないことなど、既存のシリコン太陽電池の生産面での課題も解決が見込まれる。再生可能エネルギーの普及拡大を加速させ、カーボンニュートラルの実現に大きく貢献することが期待されている。

 同社は、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」により、業界に先駆けて屋外耐久性10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築した。さらに、同製造プロセスによる発電効率15・0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功している。現在は、実用化に向けて、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上を目指し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金も活用して開発を加速させている。

 JR西日本は、さまざまなパートナーと共創するフィールドとして、2025年に全面開業する「うめきた(大阪)駅」に「JR WEST LABO」というオープンイノベーションの実験場を開設する。最先端の技術を社会に発信しつづけ、新たな価値の創造、社会課題や経営課題の解決による持続可能な社会の実現を目指している。

 同社は、「お客様と共に創る環境にやさしいecoステーション」をテーマとした「うめきた(大阪)駅」広場部分に、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置する。JR西日本初の電力由来CO2ゼロの駅の実現に向けて、「JR WEST LABO」のパートナーとして共創する。同社として初めての一般共用施設への設置であり、日照や発電量を計測する実証実験も同時に行っていく。

 

フィルム型ペロブスカイト太陽電池①

フィルム型ペロブスカイト太陽電池①

フィルム型ペロブスカイト太陽電池②

フィルム型ペロブスカイト太陽電池②

フィルム型ペロブスカイト太陽電池③

フィルム型ペロブスカイト太陽電池③

「うめきた(大阪)駅」広場部分イメージ

「うめきた(大阪)駅」広場部分イメージ

 

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