食品向けバリア包装材を開発 三菱ケミの生分解性樹脂使用

2022年05月20日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルホールディングスは5月11日、同社グループが、ナカバヤシ、王子エフテックス、MIB、長瀬産業および旭洋と共同で、同社グループの生分解性樹脂「BioPBS」を使用した、食品向けバリア包装材を開発したと発表した。ナカバヤシが展開する環境配慮製品のブランド「asue」のラインアップとして、2022年夏に販売開始予定となっている。

 包装材には、袋の内面のシーラント層として、同社グループの植物由来の生分解性樹脂「BioPBS」が採用されている。「BioPBS」は、環境配慮特性とともに優れた低温ヒートシール性と柔軟性を有しているため、食品などの包装材に採用が広がっている。袋の外面には王子エフテックスの紙製バリア素材「SILBIO BARRIER」を採用し、生分解性のある素材を使いながら、酸素、水蒸気、香気の透過を防ぎ、コーヒー豆の美味しさを保つことを可能にした。

 また、焙煎後のコーヒー豆は炭酸ガスを放出するため、一般的なコーヒー豆の袋では脱気用のプラスチックバルブを備え付けて、袋内のガスコントロールを行っている。これに対して同包装材では、MIBと長瀬産業が共同開発した、包装材のシール部分に脱気機構を一体形成する「TiMELESS」技術を用いることにより、プラスチックの使用量削減にも貢献している。

 このように、同包装材は、環境に配慮した製品でありながら、バリア性やガスコントロール機構といった高い機能性も有している。同社は今後、コーヒー豆を中心に、青果物などの包装材として展開していくとしている。

 環境配慮への要求がますます高まる中、同社グループではこれらの製品の展開を通して、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献していくとしている。

 

「BioPBS」を使用した食品向けバリア包装材

「BioPBS」を使用した食品向けバリア包装材

「TiMELESS」技術でシール部分に形成した脱気機構

「TiMELESS」技術でシール部分に形成した脱気機構

 

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